設置費用が100万円を超える太陽光発電は、補助金を利用してなるべく安く導入できたら嬉しいですよね。ほとんどの場合、太陽光発電の補助金の申請は販売会社が行ってくれます。
2024年現在は、太陽光発電単体の設置で受け取れる国からの補助金は終了しています。しかし、太陽光発電の設置をするとき、全く補助金を受け取れないわけではありません。
本記事では、なるべく安く太陽光発電を導入したいという方に向けて、補助金に関する情報を分かりやすく解説しています。補助金に関する知識に自信がない方でも、スッキリ分かるように解説しています。ぜひ目を通してみてくださいね。
- 太陽光発電の補助金がなぜ複雑なのか
- 国からの太陽光発電への補助金がなくなってしまった理由
- 2024年に受け取れる太陽光発電への補助金
- 太陽光発電の補助金の申し込み手順
- 太陽光発電設置で受け取れる補助金の種類
- 申請から補助金が受け取れるまでの期間
太陽光発電の補助金とは?
太陽光発電の補助金を調べた人の中には「複雑で分からない・・」と感じた人も多いのではないでしょうか。太陽光発電の補助金は、一言でいえば太陽光発電の導入でお金を受け取ることができる制度のことを指します。太陽光発電の補助金がわかりにくいのは、以下の理由があるからです。
- 毎年、補助金の条件が変更になる
- 国の補助金だけでも補助金事業を行っている部門が複数ある
- 国以外にも、都道府県や市町村にも補助金がある
- 一般家庭用だけではなく、産業用の補助金がある
太陽光発電の補助金には、いろいろな種類があり、条件や内容もそれぞれ異なります。ひとつひとつ太陽光発電の補助金を確認し、金額や条件を確認し、自分が太陽光発電を導入したら補助金を受け取れるのかを確認するのは面倒ですよね。
太陽光発電や補助金について知識が少ない場合、どの補助金が適用されるのかを判断するのは難しいのが現実です。
太陽光発電の補助金を申請する場合には、基本的に販売業者が手続きを行います。自分で補助金を申請する人を除けば、補助金について販売業者並みに詳しく知っている必要はありません。
太陽光発電の補助金が減っているのはなぜ?
2024年現在、一昔前に比べると太陽光発電の補助金が減っています。太陽光発電の補助金が減っている理由は、太陽光発電の導入費用が安くなったからです。
太陽光発電は必要だと言われているのに、なぜ補助金が減っているの?
太陽光発電への補助金が減っている理由は太陽光発電の導入費用の負担が減ったためです。
太陽光発電の補助金は、1994年に太陽光発電を普及させるためにスタートしました。当時は、太陽光発電は高級で、すぐ壊れてしまうかもしれない設備だと認識している人が多くいました。
しかし、再生可能エネルギーの需要も増えて、設置件数と設置者がだんだんと増加していきます。太陽光発電の設置数が増えるに従い、太陽光発電について知る人が増え、急速に太陽光発電を導入する人が増えていきました。
その後、一度は太陽光発電の普及に伴い、補助金が廃止されました。太陽光発電の補助金が廃止されたあと、補助金の代わりとして導入されたのが余剰電力買取制度です。余剰電力買取制度は、買う電気よりも売る電気を高くすることで、太陽光発電の普及を目指して導入された制度です。
太陽光発電を普及させるために、政府は補助金以外にも工夫しているのね。
そうなんです。政府のさまざまな政策により、太陽光発電の導入数は順調に増え、太陽光パネルの研究が進み、導入費用が大幅に安くなりました。10年前に比べると、太陽光発電の導入費用が半額近くになっています。太陽光発電の導入費用が安くなったことにより、太陽光発電の導入がしやすくなり、国からの補助金制度は廃止されました。
太陽光発電への補助金を打ち切ったのは、国だけではありません。国の補助金終了に伴い、都道府県や市町村でも太陽光発電の単体設置への補助金は減少傾向にあります。
国だけでなく、自治体でも太陽光発電に対する補助金は減っているのね。補助金がもらえるうちに太陽光発電を導入しようと考える人の気持ちがわかるわ。
太陽光発電の補助金は、国だけではなく都道府県や市町村でも終了してしまう場合があります。普及率が上がり、設置費用が下がった太陽光発電は、補助金が再開される見込みは薄いのが現状です。
今使える補助金はあるの?
2024年現在、太陽光発電の設置だけで国から受け取ることができる補助金はありません。しかし、太陽光発電を設置してある家庭が蓄電池を設置するケースや、太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合のケースでは、国からの補助金を受け取れる可能性があります。
また、中には太陽光発電に関する補助金を継続している都道府県や市町村も存在します。住んでいる地域で補助金事業を行っていれば、太陽光発電の補助金を受け取ることが可能です。太陽光発電を導入する前に、補助金の有無や条件、金額などを確認しておきましょう。
現在、世界的に再生可能エネルギーの必要性が高まっています。2024年は太陽光発電だけ導入した場合の国からの補助金はありません。しかし、今後は太陽光発電と相性の良い再生可能エネルギー関連の補助金が新たに開始される可能性は十分あります。
太陽光発電の補助金は必ずもらえるの?
太陽光発電の補助金は、申請すれば必ずもらえるわけではありません。太陽光発電の補助金をもらうことができないケースは以下の3点です。
- 補助金を受け取る条件を満たしていない
- 補助金の申請期限が過ぎた
- 申し込み者が多く、予算がなくなってしまった
とくに注意したいのが、予算がなくなって補助金自体が早期終了してしまうケースです。補助金事業には、基本的に予算が設定されており、早めに予算がなくなり終了してしまうケースが多くあります。
電気代が高騰している現在、太陽光発電は非常に人気の設備です。その上、太陽光発電に関する補助金も近年減少している傾向にあるので、補助金があるうちに太陽光発電を設置しておこうと考える人も多いです。補助金の申請が殺到することにより、太陽光発電の補助金は早期終了してしまうケースが多くあります。
いくら条件を満たしていても、補助金自体が終了してしまったら、補助金を利用することができません。太陽光発電の補助金を利用したい場合には、申し込みが多数の場合に備え、なるべく早く申請することがおすすめです。
太陽光発電の補助金の申し込み方法
太陽光発電の補助金に申し込もうと思っても、条件や時期が複雑で、わかりにくいと感じる人も多いですよね。下記に、太陽光発電の補助金を申し込むときの流れを、簡単に説明します。
①太陽光発電の設置を家庭内で決定する
②太陽光発電の販売店や代理店に問い合わせを行う
- 太陽光発電の設置には半年から1年程度の時間がかかる
- 設置するタイミングで利用できる太陽光発電の補助金をチェック
- 販売店や代理店でも補助金について調べてもらえる
③電気代のシミュレーションを行ったり、設置する太陽光パネルを決定したりする
④販売店や代理店のアドバイスを受けながら、補助金込みの見積もりをしてもらう
利用できる太陽光発電の補助金は、販売店や代理店に探してもらうことが可能です。太陽光発電を設置する時期によって、補助金を利用できないケースもあるので、早めに問い合わせを行うことがおすすめです。
太陽光発電の補助金の種類
太陽光発電の補助金の種類には、以下のようなものがあります。
- 蓄電池関連の補助金
- ZEH補助金
- 子育てエコホーム支援事業
専門用語なども分かりやすい言葉で噛み砕きながら、詳しく解説していきますね。
蓄電池関連の補助金
太陽光発電と蓄電池を併用したり、同時に導入したりすることで受け取れる補助金は、自治体から受け取ることができます。国からは、蓄電池の導入で補助金を受け取ることができます。自治体の場合では、太陽光発電と蓄電池のセット導入をすることで補助金を受け取れるケースが多いです。
蓄電池と太陽光発電をセット導入する場合の補助金額には、主に2つのパターンがあります。
一つ目は太陽光発電と蓄電池を併用することで蓄電池への補助金額が増額するパターンです。
二つ目は、太陽光発電と蓄電池を同時導入することで、太陽光発電への補助金も受け取れるパターンです。
太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合には、補助金の金額や条件が変わる場合もあるので、条件や金額をしっかり確認しておきましょう。
ZEH補助金
住宅を建てる時に、ZEHの条件を満たしていれば、補助金を受け取ることができます。
ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。ZEH住宅は、性能の高い住宅に太陽光発電を導入することで、年間で使用するエネルギーを極力ゼロに近づける住宅のことを指しています。
ZEH補助金は、新築時にZEH仕様の住宅を建てたり、リフォームしたりして太陽光発電や蓄電池を導入することで補助金を受け取ることができます。2024年にZEH補助金で受け取れる補助金は、一戸あたり55万円です。(参照1)さらに、蓄電池も同時に導入することで、最大20万円の補助を受けることができます。
参照1:ZEH補助金について 一般社団法人環境共創イニシアチブ
子育てエコフォーム支援事業
子供がいる家庭の場合、子育てエコホーム事業の補助金を受け取ることができます。子育てエコホーム事業では、先ほど紹介したZEH水準の住宅を新築することで、補助金を受け取ることが可能です。
長期優良住宅であれば一戸あたり100万円、太陽光発電を導入するZEH住宅であれば一戸あたり80万円の補助金を受け取ることが可能です。ただし、子育てエコホーム支援事業とZEH補助金は併用することができません。補助金を受け取りたい場合には、どちらか一つの補助金を選ばなければいけないので注意してくださいね。
自治体別の太陽光発電の補助金・条件と金額は?
自治体の太陽光発電への補助金は、住んでいる場所や申し込みの年などによって変わります。今回は、例として2024年の東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の補助金を紹介しますね。
東京都の場合
太陽光発電の義務化が始まる東京都では、一般家庭向けに太陽光発電の補助金事業を行っています。新築住宅と既存住宅、どちらでも太陽光発電の補助金を受け取ることができます。
2024年度の申し込み期限は、2025年3月31日までです。(参照2)
補助金額は、新築住宅や既存住宅、導入する太陽光発電の容量によって異なります。新築住宅で4kWの太陽光発電を導入した場合、40万円の補助を受けることが可能です。
参照2:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
埼玉県の場合
埼玉県では、既存住宅向けに太陽光発電の補助金事業を行っています。申し込み期限は2025年1月31日までですが、予算が終了してしまった場合には2025年1月31日よりも前に終了してしまいます。(参照3)
埼玉県の既存住宅で、4kWの太陽光発電を導入した場合の補助金額は28万円です。
参照3:【令和6年度】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金 – 埼玉県
千葉県の場合
2024年度は、千葉県で太陽光発電単体への補助金はありません。市町村では太陽光発電への補助を行っているので、一例として千葉市の情報を紹介しますね。
千葉県千葉市では、既存住宅に太陽光発電を導入する場合に補助を行っています。申し込み期限は2025年1月31日までですが、予算に達した場合には早めに終了してしまいます。(参照4)
千葉県千葉市の既存住宅で、4kWの太陽光発電を導入した場合の補助金額は6万円です。
参照4:千葉市:住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(住宅用設備関係)
神奈川県の場合
2024年度は、神奈川県から太陽光発電の補助金を受け取ることはできません。神奈川県内の市町村では、太陽光発電の補助を行っているところがあるので、一例として川崎市の情報を紹介しますね。
神奈川県川崎市で太陽光発電の補助金を受け取る場合の申し込み期限は、2024年12月27日までです。期限よりも早く予算に達してしまった場合、早めに補助金が終了してしまいます。(参照5)
神奈川県川崎市では、2kW以上10kW未満の太陽光発電に補助金を出しています。川崎市の補助金は、FIT制度を利用する場合と、しない場合で補助金の金額が変わります。
神奈川県川崎市で、FIT制度を利用する4kWの太陽光発電を導入した場合、28万円の補助金を受けることができます。
参照5:川崎市 : 令和6年度 「太陽光発電設備等設置費補助金」について
太陽光発電の補助金は併用可能?
太陽光発電を導入するときには、国からの補助金に加え、都道府県や市町村の補助金があるかを確認しましょう。国の補助金と、都道府県、市町村の補助金は併用することが可能です。
太陽光発電は導入費用が安くなったと言っても、まだまだ家計に負担になる金額です。国からだけではなく、都道府県、市町村から補助金を受け取ることで、太陽光発電の導入費用の負担を軽減することができます。中には、併用できない補助金もあるので、申請前に補助金の条件をしっかりチェックしておきましょう。
太陽光発電の補助金はいつ受け取れる?
太陽光発電の補助金を申請した場合、補助金を受け取れるのは設備を導入した後です。太陽光発電を導入した後、通常2〜6ヶ月後には補助金を受け取ることができます。具体的な流れは、以下の通りです。
- 太陽光発電の設置完了
- 申請書類などの提出
- 2〜6ヶ月後に補助金が振り込まれる
ただ、補助金が振り込まれるタイミングは、補助金によって異なります。補助金申請のタイミングも、太陽光発電の設置前に申請する必要がある場合もあります。申請方法や振り込みのタイミングがわからない場合には、販売店や都道府県、市町村に問い合わせてみましょう。
太陽光発電の設置には補助金を検討しよう
2024年度は、太陽光発電の設置で補助金を受け取れる可能性があります。導入費用が負担になってしまいがちな太陽光発電は、補助金を利用してお得に導入しましょう。
太陽光発電の補助金は、国からだけではなく都道府県や市町村からも受け取れる可能性があります。併用可能な補助金もあるので、国・都道府県・市町村の補助金情報を事前にチェックしてみてくださいね。