最近注目を集めているスマートハウスは、ITと再生可能エネルギーを利用して環境にも家計にも易しい生活のできる次世代型住宅といわれています。
スマートハウスには、メリットが多いけれど、なかなか導入の決め手が見つからない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、スマートハウスの導入を迷っている方に向け、スマートハウス化に必要な設備やメリットなどを一つずつ分かりやすく解説しています。
この記事を読めば、あなたにスマートハウスが必要かどうかが分かります。ぜひ、最後まで目を通してみてくださいね。
- スマートハウスの定義
- スマートハウスに必要な設備
- スマートハウスのメリット
- スマートハウスのデメリット
- スマートハウスの導入が向いていない家庭
- 悪徳業者への対策
スマートハウスとは?
スマートハウスとは、ITを使って電気を無駄なく使用できる住宅のことを指します。ITとは「情報技術」のことです。家の中のエネルギーをコンピューターなどのITで制御する住宅がスマートハウスと呼ばれています。
スマートハウスには必要な機器が多く、複雑なイメージを持っている人も多いのではないでしょうか? 次の項目で、設備や専門用語をわかりやすく解説しながら、ひとつずつ解説していきますね。
①省エネ:HemsやZEHで電気を効率よく使う家
スマートハウスでは、HEMS(ヘムス)やZEH(ゼッチ)を導入して効率よく電気を使用します。
HEMSとは「ホームエネルギーマネジメントシステム」の略称で、家庭内で使用している電気を効率よく使用するための住宅設備です。HEMSを導入することで、家電や住宅設備が効率よく電気を使えるようにサポートしてくれます。
エアコンやエコキュートなどを導入している家庭では、HEMSを導入することで、使用する電気を最適化することが可能です。無駄な電気を使わないよう、コンピューターが自動で管理してくれるので、意識しなくても節電効果を得られるようになるでしょう。
HEMSを導入すればエアコンなどの住宅機器を外出先から操作することが可能になります。例えば、蒸し暑い日に仕事が終わって帰宅するとき、蒸し暑い部屋に帰るのはいやですよね。そんな時には、スマホでHEMSを操作するだけで外出先からエアコンを起動させ、帰宅時に涼しい部屋を用意しておくことができます。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、年間のエネルギー収支をトータルでゼロにするために、断熱性や気密性に優れた住宅のことを指しています。
ZEH住宅で日常的に使用するエネルギーを節約し、HEMSで効率よく電気を使うことで、省エネで環境にやさしい生活をおくることができるのがスマートハウスです。
②創エネ:太陽光発電で電気を作る家
スマートハウスには太陽光発電設備が備わっていることが多いです。
なぜなら、HEMSを利用して電気を効率的につかうだけではなく、自分の家で電気を作り、電気の自給自足ができるようになるからです。
自家発電の家は、昼間の発電量が十分であれば、電力会社から電気を買う必要がないため、電気の購入量が太陽光パネルのない家庭にくらべ、半分以下に減ります。
電力会社から購入する電気は化石燃料を燃やしてつくられているため、電気をつかうだけで、CO2の排出につながってしまいます。
そこで、スマートハウスにはエネルギーを自家利用できるように太陽光発電が設置されることが多いのです。
③貯エネ:蓄電池で電気を貯められる家
スマートハウスには蓄電池が設置されていることも多いです。蓄電池は、昼間発電した電気を貯めておくことで、発電できない夜間にもエコな電気を使えるようにする設備です。
太陽光パネルの設置のみの場合は、昼間に発電した電気で家庭で使用しなかった分は、どこにもキープしておくことができないので、『電気を捨ててしまう』状態になります。蓄電池があることで、発電した電気をキープしておくことができるため、電力会社からの電気購入をさらに減らすことができます。
④再エネ:EV・v2hをあわせて利用できる家
スマートハウスと相性のいい設備は、太陽光発電や蓄電池だけではありません。環境にやさしいと注目されているEVやV2Hも、スマートハウスと相性のいい設備です。
V2Hとは、発電した電気や購入した電気を、EVに充電できる機器です。さらに、V2Hを導入していれば、停電が起きた時や電気が足りないときに、EVに充電されてある電気を自宅で使用できます。
厳密には、スマートハウスにEVやV2Hは必須ではありません。しかし、発電した電気をより効率的に自家消費したいのであれば、スマートハウスに導入した方がいい設備だといえるでしょう。
また、EVはガソリンも火も使わないので、温室効果ガスの排出がおさえられ、環境にやさしいのが特徴です。EVと太陽光発電の併用で、交通費を0円にすることができ、環境にも家計にもやさしい生活が叶います。
スマートハウスのメリットは?
スマートハウスは、環境にやさしく、家計にもやさしい生活ができる次世代の住宅です。スマートハウスは、新築時はもちろん、リフォームでも導入することができます。導入の大きな3つのメリットを以下に紹介します。
温室効果ガスの削減に貢献できる
そもそも、スマートハウスが注目されている理由は温室効果ガスの削減ができるためです。温室効果ガスとは、地球温暖化の原因となるCO2などを指します。
電力会社から購入する電気の多くは火力発電で作られており、火力発電は多くの温室効果ガスを発生させます。2022年時点で、家庭から出るCO2排出量の約50%は電気が原因です。(参照1)
電気による温室効果ガスの排出を抑えるのに必要なのが、電気を効率的に使用して節電することです。スマートハウスに電気を自宅で作りだす太陽光発電を導入することで、なるべく温室効果ガスを出さない生活を実現できます。
参照1:4-06 家庭からの二酸化炭素排出量(2022年度)
電気代を節約できる
スマートハウスでは、HEMSの利用で必要以上の電気を使わず、最適にコントロールできます。自動で電気をコントロールすることで節電によるストレスをゼロにしながら、電気代を節約することができます。
近年、電気料金は高騰し続けており、電気代による家計への負担が気になっている方も多いのではないでしょうか。電気代が高騰しているこの時代に、ストレスを感じることなく電気代を抑えられる点は、スマートハウスの大きなメリットだと言えるでしょう。
補助金の対象になる
スマートハウスを実現するにあたって、ZEH住宅や蓄電池を必要とする家庭も多いです。2024年度は、ZEH住宅や蓄電池の導入で補助金を受け取ることができます。
さまざまな設備を導入しなければいけないスマートハウスは、設備の導入費用が負担になってしまいがちです。蓄電池やZEHなどの補助金を利用することにより、費用負担を少しでも減らすことができるのは嬉しいですよね。
また、日本政府は省エネが実現できるHEMSの普及を目指しており、2020年時点で73万戸だったHEMSを、2030年までには5,000万戸まで増やす目標を立てています。(参照2)
2024年現在では、HEMSに対する国からの補助金を受け取ることはできません。しかし、国の目標を受け、HEMSの導入で補助金を受け取れる都道府県や市町村が存在します。
設備の導入で補助金を受け取ることができ、費用負担を減らすことができる点は、2024年にスマートハウスを導入するメリットです。省エネ住宅の普及に向け、国や自治体が補助金を出している今が、スマートハウス導入のチャンスです。
参照1:HEMS普及への課題と提案
スマートハウスのデメリット
環境にやさしく、家計にもやさしいスマートハウスですが、デメリットもあります。スマートハウスのデメリットは、以下の3つです。
- 初期費用が必要になること
- 設置やメンテナンスの手間がかかること
- 家庭によって向き不向きがあること
ひとつずつ解説していきますね。
初期費用が必要になる
スマートハウスを実現するためには、太陽光発電やZEH、HEMSなどの設備が必要になります。それぞれの設備は、決してすぐに購入できる金額ではありません。メリットが多く、光熱費が削減できるとしても、費用が高く完璧に導入できないこともあるでしょう。
例えば、太陽光発電は光熱費の削減効果や、売電収入により10年ほどで太陽光発電の元を取ることができるとされています。しかし、太陽光発電の導入には、100万円前後の費用が必要です。いつか元がとれるといっても、すぐに100万円前後のお金を支払って、だれもが太陽光発電をすぐに導入できるというわけではありません。
ただ、スマートハウスを実現したいからといって、はじめから全ての設備を完璧にそろえなければいけないわけではありません。まずは、HEMSや省エネ家電を購入し、徐々に設備をそろえていくのも一つの方法です。
エコキュートなどの給湯器やエアコンは消費電力が多く、省エネ性能の高い製品に買い換えることで、今よりも節電効果を得ることができるでしょう。スマートハウス実現のための費用が気になるのであれば、できる範囲から検討してみてくださいね。
ちなみに、省エネ家電への買い替えがおすすめなのは、エコキュートやエアコンなどの電気消費量が多い住宅設備です。また、HEMSとスマートメーターを導入することにより、電気の自動制御や電気の見える化が可能になります。
費用負担を抑えながら、少しずつスマートハウスを目指したいのであれば、まずはHEMSとスマートメーター、エコキュートなどの買い替えを検討してみましょう。
設置・メンテナンスや手間がかかる
スマートハウスに欠かせないHEMSやスマートメーターを使用する場合、今ある家電と連携が可能かを確認しなければいけません。新築住宅の場合であれば、HEMSに対応している住宅設備や家電を選ぶことで、スマートハウスを実現できます。
対して、既存住宅の場合には、HEMSに対応している家電に買い替えたり、今ある家電を確認したりする手間がかかります。家電の買い替えには、手間もかかりますが、お金もかかります。既存住宅では、新築住宅に比べてスマートハウス化に手間がかかってしまうのがデメリットのひとつです。
また、スマートハウスに必要な太陽光発電や蓄電池には、定期的なメンテナンスが必要です。とくに、電気を作り出す太陽光発電は、メンテナンスをせずに放置してしまうと、発電量が落ちてしまうこともあります。太陽光発電だけではなく、HEMSや家電も故障してしまったら修理をしなければいけないので、メンテナンスは定期的に行わなければいけません。
家庭によってはメリットが十分でないこともある
スマートハウスは、電気使用量が多いほど節電効果などのメリットを感じられます。逆に電気の使用量が極端に少ない場合や、家にほとんどいない場合には、メリットを十分に感じられない可能性があります。
ただし、家にほとんどいない場合でも、電気使用量が多ければスマートハウスの導入で、メリットを感じられるでしょう。近年は、地球温暖化などの影響で気温が高い日が多くあります。在宅時の電気使用量が多い場合や、ペットがいて一日中エアコンを使用している場合は、スマートハウスの導入でメリットを得られる可能性が高いです。
ただ、マンションやアパートなどの賃貸では、HEMSやスマートメーターを導入できないケースがあります。賃貸でスマートハウスを実現したい場合には、管理会社や大家さんなどに相談が必要です。
電気使用量が多いか分からない場合など、スマートハウスを導入してメリットがあるのかを事前に確認したいですよね。スマートハウスを実現してメリットがあるかは、各家庭ごとに判断が必要です。スマートハウスを実現してメリットがあるか確認したいときには、専門代理店に相談してみましょう。
スマートハウスの勧誘をうけたらどうすればいい?
近年、電気代の高騰などの影響を受け、スマートハウスに興味を持つ人が増えています。スマートハウスが多くの人に注目されるにつれ、スマートハウスに関する訪問販売や勧誘が増えています。
スマートハウスの営業に来る業者の中には、いい業者がほとんどです。しかし、中には悪質な業者も存在します。無理な勧誘をしたり、必要のないものを購入させたりなど、悪質な業者による手口はさまざまです。
訪問販売も、決して全てが悪いわけではありません。ただ、スマートハウスに限らず、悪質な業者も一定数いるということだけは覚えておいてください。悪質な業者に騙されないためには、下記の点に注意しましょう。
- スマートハウス設備の購入時は複数の会社から見積もりを取る
- 訪問販売ではすぐに契約しない
- 訪問販売や勧誘をされたら会社名や連絡先を聞く
- メリットだけではなくデメリットを伝えてくれる業者を選ぶ
万が一、納得いかない状況で契約を交わしてしまった場合には、最寄りの消費者センターや警察署に相談してみましょう。訪問販売で契約してしまった場合には、クーリングオフも可能です。クーリングオフの方法は、消費者センターなどで教えてもらうことができるので、困ったことがある場合には一度相談してみることがおすすめです。
スマートハウスで未来の環境を守ろう
スマートハウスは、お財布にも環境にもやさしい住宅仕様です。太陽光発電が注目されている今、再生可能エネルギーが当たり前になる時代に突入しています。
太陽光発電と相性のいいスマートハウスを導入することで、太陽光発電単体で導入するよりも環境にも家計にもやさしい生活を実現することが可能です。この先、地球温暖化対策への関心は世界的に高まっていくことが予想されます。
将来的に、火力発電などの温室効果ガスを排出する発電方法は徐々に減っていき、再生可能エネルギーを使用する住宅が増えていきます。省エネ設備に関する補助金を受け取れる今は、スマートハウスなどの省エネ設備を導入する大きなチャンスです。ぜひ、できる範囲から省エネ設備の導入を検討してみてくださいね。
スマートハウスの実現に向けて、わからないことや気になることがあれば、ぜひレオフォースまでご相談ください。