2026年以降に太陽光パネルを設置しようと考えている人にとって、この先「補助金は増えるのか?減るのか?」「買い時はいつなのか?」 は最も気になるポイントです。
ここ10年で太陽光を取り巻く制度は大きく変わっています。これからは「売電で回収する時代」から「初期投資を抑えて自家消費で得をする時代」 へと移行していきます。
この記事では、
- 太陽光制度・補助金の移り変わり
- 東京都の義務化など、政府や自治体の変化
- 2026年以降のトレンドの予測
を詳しく解説します。
この記事を読むことで、太陽光補助金が2026年以降どうなっていくのかを、しっかり理解することができ、“買い時”の判断に役立てることができますよ。
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日本の太陽光制度・補助金の変遷
日本の太陽光制度は、この30年ほどの間に何度も形を変えてきました。最初は補助金が中心でしたが、次に「売電でしっかり元が取れる」時代が訪れ、設置の勢いが一気に加速しました。そして2025年の今は、初期費用を軽くする仕組みや義務化が始まり、さらに普及を進める新しいステージに移りつつあります。
こうした制度の流れを知っておくと、これからどのような変化が起きそうかをつかみやすくなります。
ここでは、その移り変わりを順番に振り返り、次の制度の動きを読み解くためのヒントを整理していきます。
2010年代 FIT制度の普及と縮小
2010年代は、FIT制度(固定価格買取制度)によって太陽光が一気に広がった時期です。2009年に余った電気を買い取ってもらえる仕組みが始まり、2012年にFITが導入されました。初年度の売電単価は42円/kWhとかなり高く設定されていたため、家庭でも事業でも太陽光を導入する流れが一気に加速しました。その後、普及が進むにつれて売電単価は毎年少しずつ下がり、2020年代前半には10円前後まで低下しました。この頃から、売電収益よりも「家で使って電気代を減らす」という考え方が広がり、太陽光の役割が変わり始めます。
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2020年代前半 FIP制度と補助金の再拡大
2020年代前半は、売電の仕組みそのものが変わっていった時期です。2022年にはFIP制度(市場価格に上乗せ額を加える方式)が導入され、売電価格が固定ではなく、市場の動きに合わせて変わる制度になりました。これまでのFITとは考え方が異なり、より現実の電力価格に近い仕組みに寄せていく方向に切り替わった形です。
一方、家庭向けには補助金が広がり、太陽光や蓄電池の初期費用を抑えやすくなりました。自家消費(自宅で発電した電気をそのまま使うこと)を目的に設置する家庭が増えたのもこの時期の特徴です。
FIP制度は主に10kW以上の事業用への影響が大きいのですが、家庭用では補助金のおかげで導入しやすい環境が整いました。
政府としても「売電で得をする」から「初期費用を軽くして使いやすくする」方向へ切り替わり始めた時期です。
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2025年以降 義務化と初期投資支援の開始
2025年以降は、制度の大きな転換が始まるタイミングとなりそうです。
2025年には東京都で新築住宅への太陽光設置が義務化され、太陽光を“当たり前の設備”として扱う動きが国や自治体で進んでいます。その背景には、エネルギーの安定確保や電気代の高騰など、生活に直結する課題があります。
さらに、2025年度下半期からは初期投資支援スキーム(参照1)が発表されました。これにより住宅用と事業用(屋根設置)には新しい買取単価が設定され、住宅用は24円が適用されて5年目以降は8.3円に切り替わります。
地球未来図異常気象や環境破壊は年々深刻になっており、日本でも、世界各国でも深刻な対応に追われています。
そのなかでも太陽光、つまり石油燃料ではなく、再生可能なエネルギーの使用は最重要事項となっています。
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2026年以降の太陽光補助金はどう変わる?
太陽光の売電価格が下がり、FIT制度(固定価格買取制度)が静かに終わりへ向かっている中、これから数年間は補助金が手厚くなると見られています。さらに、ペロブスカイト太陽光電池のような新しい技術の登場も重なり、今後の市場は少し複雑になっていくかもしれません。
ここからは、2026年以降にどんな変化が起きそうかを、時系列で分かりやすく整理していきます。
2026〜2028年は初期投資支援が最も厚くなる予想
国は2030年の温室効果ガス46%削減を達成するため、 2026〜2028年にかけて補助金を最大化する可能性が高いと言われています。
住宅用の支援では、
- 工事費補助
- 蓄電池とのセット補助
- 低所得世帯向けの支援
がこれまで以上に拡充される見込みです。
電気代の高止まりが続いているため、太陽光の普及を進めるには、国や自治体が初期費用を下げる方向に力を入れざるを得ない状況も背景にあります。
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VPP(仮想発電所)の実用化
VPP(仮想発電所)は、家庭の太陽光や蓄電池、EVなどをネットワークでつなぎ、一つの大きな発電所のように運用する仕組みです。蓄電池にためた電気を必要な時間に提供すると、参加家庭に報酬が入る制度も想定されています。
日本では2016年頃から国が実証事業を進めてきましたが、2025年時点では一般家庭で広く使われている段階にはまだありません。ただ、補助金の重点が自家消費や蓄電池に移っているため、今後、家庭への普及に向けて、制度が整えられていくでしょう。
VPPについては、以下の記事でさらに詳しく説明しています。
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ペロブスカイト太陽光への切り替えは中長期
ペロブスカイト太陽電池は、薄くて軽く、建物の壁や窓にも使える可能性がある新しい太陽光パネルです。低コストで製造できる利点もありますが、屋外で長期間使う際の耐久性や量産体制の整備など、まだ解決すべき課題が残っています。
国内では研究と実証が進み、数年以内に商用化が部分的に始まる可能性はあるものの、一般家庭向けに広く流通するのはもう少し先になりそうです。
現在の住宅用パネルをすぐに置き換える段階にはなく、既存の太陽光+蓄電池が引き続き主流となります。
ただし、中長期的には設置の自由度が高まり、住宅のデザインやリフォームの選択肢が広がる可能性があります。今後の技術の進み方を見ながら、数年単位での変化を想定しておくのが安心です。
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自家消費と蓄電池の重要性がさらに高まる
今後は、太陽光パネルで「発電すること」だけでなく、家庭で「電気をためて使うこと」の重要性がさらに高まります。
というのも、世界的な燃料不足や資源価格の高騰が続いており、電気そのものの値段が上がりやすい状況が続きそうだからです。発電に使う燃料が高くなれば、電気料金が上がるのはどうしても避けにくく、太陽光などの代替エネルギーを広げる必要があります。



化石燃料ではなく持続的に手に入る再生可能エネルギーへの切り替えも、世界的に課題とされています。
また、太陽光だけでは夜や悪天候には電気をつくれないため、発電した電気をしっかり貯めておける蓄電池が重要です。電力需要が高まる夏と冬は、家庭で電気をためられるかどうかが安心につながります。



こうした背景から、太陽光と蓄電池をセットで考える動きは今後さらに広がり、家庭向けの蓄電池補助金が増える可能性も大いにあるといえるでしょう。
EVとの連携も広がり、家庭の電力を“ためて使う”という発想がより一般的になるかもしれません。
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補助金制度の詳細
太陽光システムを設置したり蓄電池を購入したりする際、補助金が使えるケースが意外と多くあります。さらに、断熱性が高く省エネ設計された住宅(ZEH住宅=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の建築時にも支援が出ることがあります。
太陽光発電や蓄電池の補助金には大きく分けて「導入後に申請して受け取る」と「事業会社や自治体が予算を使って販売店や施工業者を支援する」の2つの方式があります。
「導入後に申請して受け取る」補助金の場合は、購入にかかった費用が数十万円から数百万円の単位で戻ってくることもあります。



これから購入を考えているのなら、「補助金があるだろう」と考えるだけでなく、どの補助金・助成金・公共支援を自分が受けられるのかを、まず知っておくことが重要そうね
それでは、最後に国全体、東京都、神奈川県、埼玉県の現在の補助金スキームをまとめておきます。
国の補助金
まず知っておきたいのは、国は現在、東京都のように「太陽光パネルそのものに対してお金を払う補助金」は行っていないということです。近年、太陽光パネルの設置費用を直接サポートする制度は、今は自治体が中心になっています。
その一方で「太陽光と組み合わせて使う設備」に対しては、以下のようなスキームが存在します
- ZEH支援:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス向けの補助。太陽光システムが必須設備
- V2H導入補助
- 家庭用蓄電池への支援(省エネ・レジリエンス向上を目的とした補助)
- 断熱改修や高性能住宅への補助(省エネ基準を満たす住宅で太陽光と相性が良い)
このように、太陽光パネル単体で国から補助金を受け取ることはできませんが、太陽光と相性の良い設備を一緒に導入することで、結果的に国の補助を活用できるケースがあります。
国の補助金は年度ごとに内容が変わりやすく、受付期間も短いことが多いため、導入を考えているタイミングで最新の情報をチェックしておくことが大切です。
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東京都の補助金
東京都では、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて「100万円以上」の補助金が出るケースもあります。
私共の担当したご家庭では、パネル8 kW+6.3 kWhの蓄電池を導入し、太陽光で96万円、蓄電池で95万円、合計で191万円が受け取れたという例もあります。
東京都の場合は、家を建てる際に太陽光パネルを設置しなかったご家庭にとっても、後付けがしやすい補助金だといえるでしょう。



太陽光パネルをすでに持っていて、蓄電池を購入したい場合にも活用できるんだ!
補助金の申請には細かな条件があり、条件を満たしていないまま太陽光システムを購入してしまうと、後で期待していた補助金が受け取れないという事態になりかねません。
以下の記事で補助金の利用手順を簡単に説明していますので、まずは確認してみてください。
合わせて読みたい記事:【2024版】太陽光発電の設置費用に補助金を活用する手順を解説
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神奈川県の補助金
神奈川県では、購入ではなく「0円ソーラー」といわれるリース契約を補助することで太陽光システムの普及を目指しています。また「蓄電池」に力を入れた補助金制度が特徴です。特に2025年度(令和7年度)は、停電対策や災害時の電力確保を目的に、家庭用蓄電池の補助が強化される予定です。
蓄電池は数十万円〜100万円以上と高額になりやすい設備なので、県の補助金を使えるかどうかで負担が大きく変わります。



神奈川県では補助金がありませんが、市区町村によっては補助金を設置しているところもあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
合わせて読みたい記事:蓄電池の補助金・神奈川県の詳細情報|令和7年度2025年4月から
埼玉県の補助金
埼玉県では、太陽光発電と蓄電池の両方に補助金が用意されています。県だけでなく市町村でも独自の補助を出している地域が多く、組み合わせると負担を大きく減らせるケースもあります。
特に、太陽光と蓄電池を同時に導入する家庭に向けた支援が手厚く、災害時の電力確保や電気代対策を目的にした制度が増えています。
詳しくは以下の記事で解説しています。
合わせて読みたい記事:【埼玉】太陽光・蓄電池の補助金情報|令和7年度2025年4月から
まとめ:太陽光システムの購入に補助金は欠かせない
太陽光の制度や補助金は、この10年で大きく姿を変えてきました。これからは「売電で回収する時代」よりも、「初期費用を抑えて、自家消費でしっかり得をする時代」に本格的に移っていきます。
2026年以降は、国や自治体の支援も太陽光と蓄電池を組み合わせた自家消費型の設備に向かっていく見通しで、制度面もより整っていく可能性がありますので、今後も最新の太陽光ニュースをチェックしていくことが肝心です。
また、補助金には対象要件や申請の順番、必要書類などが細かく決まっています。せっかく制度があっても、条件を満たしていなかったり、書類に不備があると、受給が遅れたり受け取れなくなることもあります。
これから設置を考えている方は、まず自分がどの補助金を受けられるのかを確認することから始めましょう。
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