蓄電池で災害時も安心!停電前に知っておきたい蓄電池の知識

災害対策として蓄電池を導入しようかお悩みですか?

蓄電池は、太陽光パネルで発電をした電気を貯めるだけでなく、停電対策に役立つ住宅設備です。この記事では、蓄電池の役立つ場面を、詳しい具体例を踏まえて解説していきます。とくに、蓄電池が災害時にどのくらい役に立つのかを知りたい方は、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

この記事でわかる事
  • なぜ災害時に蓄電池が必要なのか
  • 停電時に蓄電池が使える日数
  • 停電時に蓄電池が使えないケース
  • 蓄電池の災害対策モードについて
  • 災害対策におすすめの蓄電池
  • 災害対策以外の蓄電池のメリット
目次

なぜ災害時に蓄電池が必要になるの?

地震や台風のときに、誰もが一度は停電を経験したことがあるのではないでしょうか。蓄電池に蓄電した電気は、停電が起きたときに使用することが可能です。停電が起きても、家で電気が使えたら安心できますよね。蓄電池を導入することで、停電が起きても安心して過ごすことができます。

テレビやスマートフォンが使えれば、停電が起きたときに災害の状況や停電の規模などの情報を知ることができるでしょう。照明が使えれば、夜間の停電でも暗さによる転倒やけがの防止が可能です。さらに、オール電化住宅であれば、蓄電池を導入しておくことでIHやエコキュートなどの設備の使用が可能です。

とくに、大きな地震や台風などの災害などで大規模な停電が起きたときには、蓄電池内の電気が役に立ちます。蓄電池があれば、電線が切れるなどして電気の送電が止まってしまっても、自宅内で電気を使用できます。

停電が長期化するような中規模以上の停電に備えるのであれば、蓄電池の導入がおすすめです。

蓄電池に貯めた電気は災害時に何日使えるの?

停電が起きたとき、蓄電池を導入していれば1日から6日くらいまで電気を使用できます。大規模な停電が起こった場合、電気を使える時間が多ければ多いほど安心ですよね。ただ、蓄電池の電気が使用できる日数は、蓄電池の容量や電気の使用量によって変動します。下記の項目で蓄電池を使える日数を詳しくみてみましょう。

蓄電池の大きさと電気を貯められる量の比較

蓄電池には容量があります。蓄電池の容量とは、電気を貯められる量のことを指しています。蓄電池の容量が大きいほど、多くの電気を貯めることが可能です。対して、蓄電池の容量が小さいほど、貯められる電気の量が少なくなります。

仮に、一日1〜2kWhの電気を使用するとしましょう。一日1〜2kWhの電気を使用する場合、蓄電池内の電気だけで生活できる日数は以下の表の通りです。一日の電気使用量が少なければ同じ容量の蓄電池でも、長い間電気を使い続けることができます。

蓄電池には「全負荷」と「特定負荷」の2種類があります。全負荷の蓄電池は、停電が起きたときに蓄電池内の電気を全部屋で使用することが可能です。対して、特定負荷の蓄電池は、停電が起きたら特定の部屋でしか電気を使うことができません。停電時になるべく長く電気を使い続けたい場合には、特定負荷の蓄電池を導入することで、一日の電気使用量を抑えることができます。

蓄電容量使用できる日数(1日1〜2kWh使用する場合)
3kWh1.5日から3日
6kWh3日から6日
10kWh5日から10日

電気機器によって必要な電力量も変わる

停電時に蓄電池内の電気を使用できる日数は、消費する電気量によって変動します。電気は、家電を使用したときに消費するので、単純に家電の使用を控えれば電気消費量を抑えることが可能です。

仮に、6kWhの蓄電池を設置しているとしましょう。1kWhは1,000Wなので、エアコンが1000Wで稼働した場合は6時間エアコンを使える計算になります。このように、家電の消費電力で蓄電容量ごとに使用できる時間をみていくと、下記の表のようになります。

ただし、現実的には停電中にテレビやエアコンを蓄電池にためた電気をつかって長時間つけている状態は考えにくいでしょう。また、家電の電気使用量は使用状況や製品によって大きく異なります。停電対策のために蓄電池を導入するときは、停電時に使用したい家電をリストアップし、消費電力をみながら蓄電容量を決めるのがおすすめです。

家電消費電力蓄電容量6kWh蓄電容量10kWh
エアコン300W〜3,000W2時間〜20時間33時間〜3時間
冷蔵庫100W〜300W20時間〜60時間33時間〜100時間
液晶テレビ300W〜500W12時間〜20時間20時間〜33時間

停電中に蓄電池が使えないことがあるの?

蓄電池は普通であれば、停電時に蓄電池内の電気を使うことができます。ただ、蓄電池内の電気不足やトラブル、操作不良によっては停電時に電気を使えないこともあるので注意が必要です。

停電対策のために蓄電池を導入し、いざ停電が起きたときに蓄電池内の電気が使えなかったら、困ってしまいますよね。停電時に確実に電気を使えるように、停電時に蓄電池が使えないときに考えられるトラブルを確認しておきましょう。

  • 蓄電池内の電気がない
  • 使用している家電に対して出力が不足している
  • 特定負荷の蓄電池で一部の部屋やコンセントでしか電気を使えない
  • 衝撃などのトラブルにより蓄電池や家電が故障している
  • 自立運転に切り替わっていない

一部の蓄電池は、停電が起きたときに「自動運転モード」へ手動の切り替えが必要になります。全ての蓄電池が、停電が起きたときに勝手に切り替わるわけではないので注意しましょう。また、使用している家電に対して、蓄電池の出力が少ないと電気を使うことができません。蓄電池を導入するときは、停電時の切り替え方法と、蓄電池の出力を確認しておきましょう。

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蓄電池の災害対策重視モードとは?

ほとんどの蓄電池には「災害対策重視モード」という、停電に備えるためのモードが搭載されています。災害対策重視モードとは、停電に備えて、あらかじめ蓄電池内へ電気を貯めておいておくモードです。停電が起こりそうな台風や強風のときなどに災害対策モードに設定しておくことで、いざ停電が起きても蓄電池内の電気量を確保することができます。

蓄電池を停電対策用に導入する場合は、停電に備えるための「災害対策モード」を必ず確認しておく必要があります。モードの名前は、製品によって異なりますが、停電に備えるモードという点は変わりません。

また、製品によって、停電に備えて貯めておける電気量を設定できたり、台風が予想される日に自動で電気を貯めておいてくれたりする機能が搭載されています。「天気予報をチェックして蓄電池を操作するのはめんどくさい」「外出していることが多いから自動でやってほしい」など、要望やライフスタイルによって蓄電池を選ぶことがおすすめです。

停電や災害が起こったときの対処法は?

蓄電池を導入している家庭では、停電が起きたら自立運転に切り替える必要があります。ただ、蓄電池によっては停電時に自動で自立運転に切り替わる製品もあるので、蓄電池を購入するときに確認しておきましょう。

さらに、太陽光発電を導入している場合は、太陽光発電も自立運転モードに切り替える必要があります。停電が長引きそうなときは、自立運転モードへの切り替えを忘れないようにしてください。太陽光発電と蓄電池を自立運転モードに切り替えることで、停電時に太陽光発電で発電した電気や蓄電池内の電気を使用できます。

蓄電池や太陽光発電を導入している場合、停電が起きる前に蓄電池や太陽光発電の自立運転への切り替え方法を把握しておきましょう。自立運転への切り替え方法を知っておかないと、いざ停電が起きたときに電気が使えずに困ってしまいます。蓄電池や太陽光発電を導入するときに、自立運転への切り替え方などを確認しておくと安心ですね。

災害時におすすめの蓄電池は?

停電などの災害に備える場合、据え置き型の蓄電池に加え、ポータブル蓄電池や自家発電機の導入をする選択肢があります。ただ、停電対策をしたいのであれば、ポータブル蓄電池や発電機より、据え置き型の蓄電池がおすすめです。

お客様

電気をためたり、電気を作ったりする設備っていっぱいあるけど、結局どれがいいの?停電に備えるためのおすすめはある?

地球未来図

停電対策としておすすめなのは、据え置き型の蓄電池です。据え置き型の蓄電池とは、屋外に取り付けるタイプの蓄電池のことです。停電対策ができる設備には、ポータブル蓄電池や発電機がありますが、据え置き型の蓄電池に比べると一度で使用できる電気量が少ないです。

ポータブル蓄電池は、小型で収納に困らないというメリットがあります。しかし、停電対策としては、使用できる電気量が少ないです。また、自宅のコンセントを使用することはできないので、停電対策よりもアウトドアなどのレジャーにおすすめの蓄電池です。

お客様

停電対策としてポータブル蓄電池を導入する人も多いけれど、長期的な停電には向かないのね。電気を作れる発電機であれば、長期的な停電にも耐えられそうだけど?

地球未来図

確かに、発電機は電気を作り出すことができるので、長期的な停電でも電気を使い続けることができます。ただ、発電機にはガソリンなどの資源が必要です。

災害などが原因で停電が起きているときは、ガソリンが不足することも考えられます。停電が起きて、さらにガソリン不足が起こってしまうと、電気を作り出すことができません。ガソリン不足の恐れがある災害時には、発電機は向いていないと言えるでしょう。

長期的な停電対策をするのであれば、蓄電池と太陽光発電を自宅に導入するのがおすすめです。蓄電池と太陽光発電を導入していれば、蓄電池内の電気がなくなっても、発電した電気を充電できます。

お客様

確かに、災害が起きるといつもガソリンスタンドに行列ができているわね・・。やっぱり、太陽光発電と蓄電池がおすすめなのね。

地球未来図

そうですね。ちなみに、蓄電池の代わりとしてEVとV2Hを活用することも可能です。V2Hは、EVを充電したり、EV内の電気を自宅に給電できる設備です。EVを導入済みの場合や、これからEVを導入する予定の場合は、V2Hを導入することでEVを蓄電池として活用できますよ。

お客様

EVを蓄電池として活用できるのは知らなかったわ!これからEVを購入する予定だから、V2Hも一緒に確認してみるわね!

蓄電池のメリットは他にもある?

蓄電池には、停電対策以外にも電気代を節約できるメリットがあります。とくに、太陽光発電と蓄電池を併用している場合は、大幅な電気代の削減が見込めるでしょう。近年は、電気代の高騰が続いています。太陽光発電と蓄電池を併用することで、なるべく電気を購入しない生活を目指す人も多いです。

また、太陽光発電を導入していない場合でも、オール電化住宅であれば電気代の削減が可能です。オール電化住宅では、夜間の電気料金が安い電気料金プランを契約しています。夜間の安い電気を蓄電池にためて昼間に使用することで、電気代の節約ができます。

さらに、太陽光発電と蓄電池を併用すれば、環境にやさしい再生可能エネルギーを最大限有効活用できます。近年は地球温暖化が問題になっており、電気の使用によるCO2排出量の増加が懸念されています。太陽光発電で発電した電気をなるべく多く活用することで、CO2排出量の少ない環境にやさしい生活を実現できます。

まとめ

蓄電池は、災害によって起こる停電対策として役に立ちます。停電が起きたときに、なるべく長く電気を使いたい場合は容量の大きい蓄電池を、最低限の備えをしたいのであれば容量の小さめの蓄電池がおすすめです。

より完璧な停電対策を求めるのであれば、太陽光発電と蓄電池の併用を検討しましょう。

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