オール電化と太陽光発電で電気代がお得!メリット・デメリットを解説

オール電化と太陽光発電の導入を考えているけども、どのくらい電気代が変わるのかがわからずに悩んでいる方がいるのではないでしょうか?

オール電化と太陽光発電を併用すると、電気代の節約以外にも多くのメリットがあります。

この記事では、オール電化と太陽光発電を組み合わせるとどのくらい電気代がお得になるのかや、導入のメリットデメリットをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、オール電化を既に使っていて太陽光パネルを家に追加したい方や、これから家を建てる際に太陽光パネルとオール電化を両方付けたいと検討している方のどちらの悩みも解消できるため、ぜひ参考にしてください。

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目次

オール電化とは?

オール電化とは、ガスコンロやお風呂の湯沸かしなどのガスをエネルギー源にしていた部分を電気に変えて、家庭内で使うエネルギーをすべて電力でまかなうシステムのことです。

住宅をオール電化にすると、ガス契約が必要なくなり、光熱費が電気代に一本化されます。ガスの基本料金部分がなくなるため、光熱費の節約につながります。節電を意識すれば、さらに光熱費を削減できるでしょう。

また、ガスを使わないため、地球温暖化の原因となるCO2の排出量が削減できます。このように、住宅をオール電化にすることで、環境にも家計にも優しい暮らしを目指せます。

エネルギーをすべて電力でまかなうオール電化は、電気を作る太陽光発電と相性がよいです。電気代の節約効果やCO2の削減効果をさらに高めたい場合は、オール電化と太陽光パネルの併用がおすすめですよ。

オール電化と太陽光発電を併用するメリット

オール電化と太陽光発電は、相性のよい組み合わせです。併用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 光熱費の一本化と削減ができる
  • 余剰電力で売電収入を得られる
  • 災害のリスクが下がる
  • 地球温暖化の抑制に貢献できる

それぞれ詳しく解説します。

光熱費の一本化と削減ができる

オール電化にすると、ガスの契約が必要なくなるため、光熱費を電気代に一本化できます。また、太陽光発電と併用することで、電力会社から購入する電気が減り、光熱費の削減にもつながります。

光熱費をより多く削減するには、夜間の電気が安くなる電力プランに変更するのがおすすめです。

悪天候でなければ、太陽光発電は日中の発電量が多く、昼間は電力会社から電気を購入せずに済みます。夜間は電気を購入しなくてはいけないため、夜間の電気料金が安くなる電力プランに変更すると、光熱費を削減できます。

さらに蓄電池も活用すると、太陽光発電の電気を効率よく運用できるため、光熱費をゼロを目指せるでしょう。

余剰電力で売電収入を得られる

太陽光発電で作った電気は電力会社へ売電できます。家庭内で使い切れなくても、売電収入を得られるため、電気を無駄にすることがなく安心です。

また、経済産業省が設けたFIT制度(固定価格買取制度)により、太陽光発電で作った電気の買取価格は一定期間保証されます。10kW未満の太陽光発電では、10年間保証され、2024年の買取価格は1kWhあたり16円です。(参照1)

FIT制度期間中は、余剰電力が発生しても安定した収入が得られ、トータルコストの節約につながります。

FIT制度終了後は買取価格が保証されないため、できるだけ家庭内で電気を使った方がお得になります。自家消費量を増やすために蓄電池の導入を検討してもよいでしょう。

参照1: 資源エネルギー庁

災害のリスクが下がる

オール電化と太陽光発電を組み合わせると、災害のリスクが下がります。オール電化はガスを使わないため、ガス漏れやコンロの火を原因とした火災が起きなくなります。ちいさな子どもやペットが火に触れて怪我をする心配もなくなり安心です。

また、太陽光発電は災害時の備えになります。災害により電力会社からの電気の供給が止まっても、太陽光発電で作った電気を使えます。自宅がオール電化であれば、家電の利用だけでなく湯沸かしもでき、寒い時期の停電でも安心です。

オール電化と太陽光発電の併用により、災害に強い住宅を作れます。

地球温暖化の抑制に貢献できる

オール電化はCO2を排出するガスを使わないため、地球温暖化の抑制に貢献できます。また、太陽光発電で作った電気を利用することで、さらにCO2の排出量を削減できます。

お客様

電力会社の電気の代わりに太陽光発電を使うと、どうしてCO2の排出量が減るの?

地球未来図

電力会社から購入する電気は、ほとんどが火力発電により作られているからです。火力発電は化石燃料をエネルギー源として電気を作っているため、発電時にCO2を排出してしまいます。

それに対して、太陽光発電は太陽光をエネルギー源としているため、CO2を排出しません。このようなエネルギーを再生可能エネルギーと呼びます

お客様

電気を使う際ではなくて、電気を作る際のCO2排出量が関係しているんだね

環境省の調査によると、令和2年度の日本では世帯あたりの年間CO2排出量のうち、電気の利用に伴う排出が65.3%と半分以上を占めています。(参照2)

そのため、太陽光発電でオール電化に使う電気を賄えると、CO2排出量を大きく削減できます。近年、地球温暖化による干ばつや異常気象などの被害が、世界中で増加傾向です。

地球温暖化の原因となるCO2の排出量を減らすためにも、オール電化の住宅には太陽光パネルの設置を積極的に検討しましょう。

参照2:環境省

オール電化と太陽光発電を併用するデメリット

オール電化と太陽光発電の併用には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあることを知っておきましょう。

  • 夜間の停電に弱くなる
  • 初期費用が高くなる
  • 日中の電気代が割高な料金プランになる

それぞれわかりやすく解説していきますね。

夜間の停電に弱くなる

オール電化の住宅に太陽光パネルを設置すれば、日中の停電には対応できます。しかし、夜間は太陽光発電ができないため、夜間の停電には対応できません。

停電中は家電機器が使えなくなるだけでなく、お湯も沸かせなくなってしまいます。オール電化と太陽光発電を併用しても、夜間の急な停電には弱いため注意が必要です。

夜間の停電にも対応したい場合は、蓄電池やV2H(電気自動車と自宅の電気を相互で使えるようにする機器)の導入を検討しましょう。

初期費用が高くなる

太陽光パネルの設置費用は100万円以上かかります。そのため、オール電化と一緒に導入すると初期費用が高くなります。予算に不安があるならば、太陽光パネルを後付けにするのも選択肢の一つです。

また、太陽光パネルを対象とした補助金制度を用意している地方自治体が多くあるため、補助金が活用できれば初期費用を抑えられます。住んでいる地域の地方自治体に補助金制度がないか確認してみてください。

日中の電気代が割高な電気プランになる

オール電化向けの電気プランの多くは、日中の電気代が割高に設定されています。太陽光発電で日中に使う電気をすべて賄える家庭であれば、割高の電気を使う必要はありません。

しかし、日中に電気を多く使う家庭では太陽光発電だけでは賄いきれず、電力会社から電気を購入しなくてはいけない場合もあります。

また、天気が悪い日は太陽光パネルの発電効率が下がるため、割高な電気を購入しなくてはいけません。ライフスタイルによっては、光熱費が増えてしまう可能性があるため注意しましょう。

オール電化と太陽光発電に相性がよい機器はある?

オール電化と太陽光発電は、電気を貯められる機器や電気利用を最適化できる機器と相性がよいです。たとえば、以下のような機器が挙げられます。

  • 蓄電池
  • V2H
  • HEMS

機器の特徴と導入した際のメリットをそれぞれ解説します。

蓄電池

蓄電池とは、電力会社から購入した電気や太陽光パネルで発電した電気を貯められる機器です。貯めた電気は、いつでも使用できます。

蓄電池を活用すると、電気代の削減や停電対策が可能です。たとえば、電気代が安い夜間の電気を貯めておき、その電気を日中に使うことで割高な電気を購入しなくて済みます。

また、太陽光発電の余剰電力を貯めておけるため、自家消費量を増やせ、電力会社から購入する電気を削減できます。オール電化と太陽光発電に蓄電池を加えると、光熱費0円を目指すことも可能です。

蓄電池に貯めた電気は、停電時にも使えます。そのため、夜間に急な停電が起きても安心です。

このように、蓄電池を活用すると、先述した「夜間の停電に弱くなる」と「日中の電気代が割高な電気プランになる」の二つのデメリットがなくなります。

蓄電池は、オール電化と太陽光発電の両方と相性のよい機器のため、後付けでも導入を検討するのがおすすめです。

V2H

V2H(Vehicle to Home)とは、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)のバッテリーに充電された電気を、家庭に流せるようにする機器です。

EVやPHEVに貯めた電気を自由に使えるようになるため、蓄電池と同じ役割を果たせます。太陽光発電の余剰電力や電気代の安い夜間の電気を貯めて、光熱費の削減が可能です。停電時の非常用電源としても活用できます。

太陽光パネルで作った電気を自動車の走行に使うことで、EVやPHEVにかかる電気代の節約になります。EVは走行時にCO2を排出しないため、太陽光発電の電気を使えれば、エネルギー面でもCO2を削減可能です。

EVやPHEVを所有している方や購入を考えている方は、蓄電池の代わりにV2Hの導入を検討してもよいでしょう。

HEMS

HEMS(ヘムス)とは、Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略称で、電気の利用を自動で最適化できる機器です。

家庭内の電気機器や太陽光パネルをネットワークに接続することで、電気使用量や発電量が一目でわかるようになります。また、電気使用量が最適になるよう各機器を自動で制御できます。

HEMSを導入すると、電気の消費量を抑えながら、太陽光発電の電気を効率よく運用できるため、電気代の削減が可能です。

電気のみで暮らすオール電化の住宅では、HEMSを活用して省エネ効果を向上させるのがおすすめですよ。

オール電化で太陽光発電ありの電気代の平均はいくら?

オール電化と太陽光発電を組み合わせると、1ヶ月平均でどのくらい電気代がお得になるのか気になりますよね。電力会社のデータをもとに「電気とガスの併用」と「オール電化で太陽光発電なし」、「オール電化で太陽光発電あり」の3パターンを比較します。

電気代とガス代は以下の条件でそれぞれ計算します。

  • 電気プランは電気とガスの併用では東京電力のスタンダードSプラン、オール電化では東京電力のスマートライフSプランを60Aで使用する(参照3)
  • 1ヶ月の電気使用量は300kWh(オール電化は400kWh)ですべて午前6時~翌午前1時の間に使用しているとする
  • 太陽光発電は100kWhを自家消費している
  • 2023年の総務省の統計により、ガス代は1ヶ月5,209円(1世帯あたりのガス代の平均値)とする(参照4)

これらの条件で1ヶ月の光熱費をシミュレーションすると、以下の表のとおりです。

パターン1ヶ月の光熱費(電気代+ガス代)
電気とガスの併用(電気使用量300kWh)【電気代】
基本料金:1870.5円
電力量料金:10,128円合計:11,998円(小数点以下切り捨て)

【ガス代】
5,209円

【光熱費】
17,207円
オール電化で太陽光発電なし(電気使用量400kWh)【電気代】
基本料金:1870.5円
電力量料金:14,304円合計:16,174円(小数点以下切り捨て)

【ガス代】
なし

【光熱費】
16,174円
オール電化で太陽光発電あり(電気使用量400kWh、太陽光発電の自家消費100kWhにより電気の購入量は300kWh)【電気代】
基本料金:1870.5円
電力量料金:10,728円
合計:12,598円(小数点以下切り捨て)

【ガス代】
なし

【光熱費】
12,598円

電力とガスの併用からオール電化に切り替えると1ヶ月で約1,000円、オール電化に太陽光発電を導入するとさらに約3,500円の光熱費が削減できます。

実際には、季節や住んでいる地域、電気を利用する時間帯などにより値段が変わってきますが、オール電化や太陽光発電を導入すると、光熱費がお得になるといえるでしょう。

HEMSを活用して省エネ効果を高めたり、蓄電池を設置して太陽光発電の自家消費量を増やしたりすれば、さらに光熱費を節約できますよ。

参照3:東京電力エネジーパートナー
参照4:e-Stat 政府統計の総合窓口

オール電化と太陽光発電の設置にかかる費用

住宅をオール電化にする場合、電気に対応した給湯機器と調理機器の導入が必要です。費用は機器本体と工事費を合わせると100万円を超える場合もあります。

オール電化と太陽光発電にかかわる機器の費用を以下の表にまとめました。

設置機器費用(購入費+工事費)
IH調理器約10万円~50万円
エコキュート(給湯機器)約50万~150万円
太陽光パネル(4kWh程度)約100万円~
蓄電池(5kWh程度)約100万円~
V2H約80万円~
HEMS約15万円~20万円

オール電化と太陽光発電を一緒に導入する場合は約200万円以上かかります。蓄電池やV2Hも購入する場合さらに100万円以上の費用が必要です。

無理にすべての機器を導入せずに、ライフスタイルや予算を考慮して、設置機器を検討するのがよいでしょう。

予算の関係で、オール電化は導入できても太陽光パネルの導入が難しい場合は、リース契約を活用するのも選択肢の一つです。初期費用0円で太陽光パネルを設置できます。

オール電化と太陽光発電は環境にも家庭にもメリットがたくさん

オール電化と太陽光発電を併用すると電気代を節約できます。他にも、ガスが原因の火災が起きなくなったり、CO2排出量を削減できたりと、多くのメリットがあります。

夜間の停電に弱いことや日中の電気代が高くなるなどの懸念もありますが、蓄電池やV2Hを活用すれば対策可能です。

オール電化の住宅に住んでいる方やオール電化の導入を検討している方は、太陽光パネルも設置して環境にも家庭にも優しい生活を送ってみてください。

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