蓄電池が欲しい人のための納得できる選び方ガイド|2026年版

蓄電池ガイド

蓄電池を買うと「電気代を節約できる」、「補助金がもらえる」、「災害時に安心」という話を聞いたことはありませんか?

お客様

でも、蓄電池は通常100万円以上する設備ですので、そんなに簡単には購入を決められないわ

皆さんの家庭にとって蓄電池が本当に必要かどうかは、

  • 太陽光システムを持っているか、いないか?
  • 現在の電気使用量
  • 補助金がある?ない?

といった様々な条件によって変わります。

蓄電池の値段は、貯められる電気の容量、全負荷型と特定負荷型のどちらを選ぶか、さらに太陽光パネルや自宅の他の設備との連携工事の内容によって、設置の総額が変わるため、見積もりも複雑です。

そのため、いくつかの販売店で蓄電池の見積もりを比較し、自分の家庭に合ったものを見つける必要があります。

この記事では、蓄電池を検討する際に、事前に知っておきたいポイントを具体例や図表を使って分かりやすく解説していきます

この記事を読むと、蓄電池に関する基本情報を全て押さえることができ、自信をもって見積もりの比較ができるようになりますよ。

約3分で全体像がつかめますので、忙しい方にもおすすめです。

地球未来図

約3分で全体像がつかめますので、忙しい方にもおすすめです。

目次

蓄電池とは

蓄電池は「電気を貯める」箱です。

箱の中身はリチウムイオン電池です。これはパソコンやスマホに使われているバッテリーと同じ原理のもので、電気をためることができます。その他に箱の中には配線、制御装置や冷却装置が入っています。

家庭用蓄電池のサイズは蓄電池自体の許容量によって変わりますが、高さ80cm~150cmくらいのものが多いです。

地球未来図

見た目は給湯器に似ていて、エアコンの室外機の横や、家の壁の側面に設置することが多いです。

蓄電池の機能は「スマホのモバイルバッテリー」をイメージしていただくと一番わかりやすいでしょう。

まず電源から電力をチャージしておき、後で使いたいときにスマホやゲーム機などの充電にいつでもつかうことができます。

蓄電池も同じ機能を持っているのですが、家全体に安全に安定した電力を送るために、さまざまなタイプに分かれているため、購入選択がややこしくなっています

地球未来図

タイプについては、この後「蓄電池のサイズと種類」の項目で詳しく紹介します。

合わせて読みたい記事:オール電化と太陽光発電で電気代がお得!メリット・デメリットを解説

合わせて読みたい記事:エコキュートと蓄電池は両方必要?併用のメリット・購入の順番を解説

蓄電池で何ができるの

蓄電池があると電気をためて、使いたいタイミングで使うことができます。

お客様

たったそれだけ?

と思った方もいるかもしれませんが、電気を貯めるのには以下の2つの目的があります。

目的①:太陽光発電で発電を貯めておいて後で使う

太陽光発電システムは、昼間の日照時間中に発電した電気を、基本的にはその場で自宅の電力として使っています。

そして、日が落ちたり、曇りの日など太陽光システムで十分に発電できない時間帯になると、自宅で使う電気は電力会社から引き入れることになります。

つまり、その時間帯は太陽光発電のついていない家と同じ状態になるわけです。

しかし蓄電池があれば、日照時間中に発電した電気をいったん貯めておき、発電できない時間帯に使うことができます。

具体的なイメージを数字を使って説明します。

【ある一家の夏の一日の例】

  1. 夏・晴天で条件が良い日の発電量:20〜30kWh
  2. 太陽光発電の総容量(パネル容量):4〜5kW
  3. 昼間にその場で使われる電気(エアコンを使って在宅している場合):8〜12kWh

発電した電気20〜30kWhのうち、昼間に使った8〜12kWhを差し引くと、8〜18kWhほどの電気がその場では使われずに余ります
 

この余った電気を、蓄電池に移動させて取っておく、というのが蓄電池の役割です。

なお、実際には、蓄電池への充電時に「ロス」と呼ばれる損失があるため、たとえば蓄電池に回せる余った電力が10kWhあった場合でも、実際に電池に蓄えられるのは9kWh前後になります。

また重要なのは、蓄電池に残せる電気の量は、蓄電池の容量が上限になることです。

たとえば5kWh容量の蓄電池を設置している場合貯められるのは最大で5kWhまでで、それ以上の電気は蓄電池には入りません。

では、その余った電気はどうなるのでしょうか。

売電契約をしていれば、一部は電力会社に売電されます。またそれよりも発電量が多く電気が余りすぎる時間帯には、「出力抑制」といって、太陽光発電そのものを一時的に止める制御が入ることもあります。
これは、余った電気を捨てるのではなく、最初から発電させない仕組みで、結果として使われない電気は生まれず、なかったことになります。

「出力抑制」を行わないと、電圧が不安定になったり、最悪の場合、広範囲の停電につながることがあります。

蓄電池があれば、こうした売れない電気や、出力抑制で止められてしまう電気を、自宅で受け止めて使うことができます。

合わせて読みたい記事:【2024年版】太陽光の売電が始まらない時はどうする?自家消費がお得!

合わせて読みたい記事:【2025】卒FITとは?太陽光発電を今から設置してもお得な理由

目的②:電気代の安い時間帯に電気を使う

電気料金は、契約プランによっては「使う時間帯」で単価が変わります。

ごく簡潔にまとめてしまうと、昼(人がよく電気を使う時間)は高く、夜(需要が落ちる時間)は安いことが多いです。

たとえば東京電力の時間帯別プラン例では、日中〜深夜手前(午前6時〜翌午前1時)が35.76円/kWh、深夜(午前1時〜午前6時)が27.86円/kWhと、夜間のほうが安く設定されています。

参照:TEPCO
 

実際の請求額には燃料費調整額などが加わります

そこで夜の安い電気を買って蓄電池に充電し、昼間の高い時間帯にその電気を使うこともできます。

蓄電池で電気を夜に買うとどうなる?

  1. 料金は東京電力の例:昼 35.76円/kWh、夜 27.86円/kWhを利用
  2. 晴天で条件が良い日の発電量:20〜30kWh
  3. 昼間つかう5kWh(1日) 分を蓄電池に貯め、昼の購入を5kWh減らす)

※蓄電池は充放電ロスがあるので、実際には夜に 5.56kWh 充電が必要です(効率90%と仮定した場合)

上記のように仮定した時

  • 昼に買わずに済む金額:5kWh × 35.76円 = 178.8円
  • 夜に余分に買う金額:5.56kWh × 27.86円 ≒ 154.8円
  • 差し引き節約:約24円/日

つまり上記のシミュレーションでは、一か月で 約720円(24円×30日)の節約となります。

このように、昼と夜の差が8円/kWh前後のプランなら、「夜充電して昼使用」の節約額は、月に数百〜千円程度になりやすいです。

お客様

電池の設置自体が100万円以上かかるのなら、
これだけの節約額だと、元が取れないんじゃないかしら?

地球未来図

はい、ですので、蓄電池の設置では、以下のように考えるのが現実的です。

①太陽光発電を合わせて使うことで、そもそも買う電気をできるだけゼロに近づける(夜間で足りない電力は購入が必要)

②蓄電池補助金を利用して、購入金額自体を下げる

詳しくは以下の記事でも解説しています。

合わせて読みたい記事:蓄電池は元が取れないの?太陽光と組み合わせればメリットがたくさん!

合わせて読みたい記事:蓄電池をやめたほうがいいって本当?購入者が増えている理由を解説

蓄電池のサイズと種類

蓄電池を購入する際には、主に次の3つの項目を選ぶ必要があります。

  • 容量
  • 全負荷型 or 特定負荷型
  • 単機能型 or ハイブリッド型

それぞれが、使い勝手や価格に大きく関わってくるポイントです。
順番に見ていきましょう。

① 蓄電池の容量

蓄電池の容量とは「どれくらいの電気をためられるか」を表すもので、kWh(キロワットアワー)という単位で示されます。

容量選びで大切なのは、「たくさんあれば安心」という考え方だけで決めないことです。

停電時や夜間に何をどれくらい使いたいかを基準に考えてみましょう。

たとえば、冷蔵庫や照明、スマホの充電程度であれば5kWh前後でも足りますが、エアコンや調理家電も使いたい場合は、10kWh前後が必要になります。

また、太陽光発電と併用する場合は、昼間にどれくらい余剰電力が出ているかも重要です。
余剰が少ない家庭では、大容量の蓄電池を入れても満充電にならず、性能を持て余すこともあります。

容量は「多ければ多いほど良い」ではなく、生活スタイルと発電量に合ったサイズを選ぶことがポイントです。

太陽光で実際にどれくらい発電できるかは、 日照条件や屋根の向き・角度、形状によって一件一件大きく異なります 同じ「4〜5kW」の太陽光システムでも、家庭によって余剰電力の出方はまったく変わってくるので、カタログ上の数字だけで蓄電池の容量を決めてしまうのはおすすめできません。

そのため、蓄電池を検討する際は、太陽光販売店などで発電量と電気の使い方を踏まえた、より正確なシミュレーションをしてもらい、自宅に合った蓄電池の大きさを確認することが大切です

地球未来図

実際に、悪徳な販売事例では、 必要以上に大きな容量の蓄電池を勧められ、「思ったほど使い切れず、高額な設備を持て余してしまった」 というケースも報告されています

無料相談などを活用して、発電量・電気の使い方・停電時に何を使いたいかを整理したうえで、
納得できる容量を選ぶようにしましょう。

レオフォースの無料相談はこちらのページで詳しく紹介しています。

② 全負荷型と特定負荷型

全負荷型と特定負荷型の違いをシンプルに言うと、
「停電時に家のどこでも使える型」か、「あらかじめ決めた場所や電化製品にだけ電気を流す型」かの違いです。

お客様

家じゅうどこでも自由に使える方がいいんじゃないの?


はい、その通りで、実際に蓄電池の販売現場では全負荷型を選ぶ人の方が多いのが現状です。

ここで、両者の違いを簡単に表にまとめます。

項目全負荷型特定負荷型
停電時に使える範囲家全体事前に決めた回路・機器のみ
使い勝手普段とほぼ同じ使える場所が限られる
200V機器
(エアコン・IH調理器具等)
使える使えないことが多い
価格高め安くなることもある

この表を踏まえたうえで、あえて特定負荷型を選ぶメリットもあります。

  • 値段が安くなることが多い(30〜60万円程度)
  • 蓄電池本体が小さめになるケースが多いので、設置場所に困っている家庭には向いている
  • 停電対策は最低限と割り切れる
    (冷蔵庫・照明・スマホ充電だけを特定負荷として割り当てておく)
お客様

日本では実は1時間以上の停電はほとんどないそうだよ。
成人した家族だけの我が家なら、特定負荷型のメリットの方が魅力的かな

お客様

うちは小さな子どもや高齢者もいるし、停電時に電気で不自由を感じるのは避けたいわ

地球未来図

ご家庭それぞれの事情で選ぶのがよさそうですね

特定負荷型で特に注意したいのは次の2点です。

  • エアコンやIHなどの200V機器が使えないことが多い
  • 後から「やっぱり全負荷にしたい」と思っても、再工事が必要になり、費用が大きくかかる場合がある

この点は、購入前にしっかり考えておきたいポイントです。

③ 単機能型かハイブリッド型

蓄電池には、単機能型ハイブリッド型があります。
簡単にいうと、パワコン(パワーコンディショナ)機能付きかなしかの違いです。

単機能型は、蓄電池専用の装置で、太陽光発電とは別のパワーコンディショナを使います。
すでに太陽光発電とパワーコンディショナを設置している住宅に後付けで蓄電池を設置する場合にはこちらが選ばれます

一方、ハイブリッド型は、太陽光発電と蓄電池1台のパワーコンディショナでまとめて制御します。
機器構成がシンプルになり、変換ロスが少ないというメリットがありますが、太陽光と同時に導入する場合に検討するタイプです。

上記のように蓄電池のみ後付けする場合は単機能型、太陽光発電の導入と合わせて蓄電池を買う場合は一体型というのが最も一般的な考え方です。

ただし、新築住宅や新規の太陽光発電の設置の場合でも、自分の選びたいパワコンや蓄電池のメーカー、それぞれの容量や使用方法によっては、単機能型の蓄電池を組み合わせるケースもあります。

また選び方によっては設備全体の値段を抑えられる場合もあります。

それぞれの組み合わせが複雑ですので、この選び方も専門販売店でご自宅のケースに当てはめてじっくり相談する必要があるでしょう。

合わせて読みたい記事:蓄電池の後付けが急増|購入前に知っておくだけで損しない方法

合わせて読みたい記事:太陽光発電の見積もりが高額すぎ!ぼったくりを見分ける方法を紹介

蓄電池の補助金

蓄電池の導入には、国の補助金自治体(都道府県・市区町村レベル)の補助金があります。

国では再エネ自家消費や省エネ住宅の制度で、蓄電池や太陽光とセットで補助されるケースがありますが、蓄電池単体で補助金がもらえる制度は現在ありません。

一方、東京都は独自に「家庭における蓄電池導入促進事業」を実施しており、太陽光発電の自家消費拡大や非常時対応を目的に蓄電池の設置費用に助成を積極的に行っています。

この制度は蓄電池単体でも申請可能で、家庭用蓄電池の補助額は1kWhあたり定額で支給される仕組みになっています。

太陽光発電と同時設置の場合は、太陽光側の補助も重ねて受けられる可能性があります。詳しい要件や申請方法は、以下の東京都環境局の公式ページで確認できます。

クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター

合わせて読みたい記事:蓄電池の補助金・東京都の詳細情報|令和7年度2025年4月から

合わせて読みたい記事:蓄電池の補助金・神奈川県の詳細情報|令和7年度2025年4月から

合わせて読みたい記事:【令和7年度】東京都・太陽光パネル補助金で200万円安くなることも!

結論:蓄電池はいる?いらない?

蓄電池の設置でメリットがあるのは、一言でいうと、以下のどちらかに当てはまる場合です。

①太陽光発電システムが自宅にあるが蓄電池がない場合

②補助金が十分にもらえる条件がそろっている場合

しかし実際には、判断はそこまで単純ではありません。


太陽光でどれくらい発電できているのか?昼と夜でどの程度電気を使っているのか?補助金がいくらおりるのか?など、各家庭のライフスタイルによって一件一件違うため、一般的な目安だけでは判断が難しいのが実情です。

そのため、蓄電池の購入を検討するなら、実際の発電量データや電気使用量をもとに、具体的なシミュレーションを行い、購入後にどのくらいメリットがあるのか知っておくことが必須です。

【PR】

私たちレオフォースでは「自宅に蓄電池が本当に合うのか」「容量や種類はどれが適切か」「補助金を使うと実質いくらになるのか」といった点をしっかり理解するための無料相談を行っています。

相談後にご自宅に購入のメリットがないとアドバイザーが判断した場合は、お客様のメリットを考え購入をお断りすることもあります。

購入をするべきかどうか判断できずに困っているという方は、ぜひお気軽に無料相談にお申込みください。

SNSでシェアする

地球未来図について

「未来の地球のために、私たちがいまやるべきこと」を紹介するメディアサイトです。太陽光システム、再生可能エネルギー、脱炭素、自然環境の保護をテーマに、エコライフを正しく理解するために知っておきたい最新情報をお届けしています。

目次