太陽光普及でも電力不足?AI予測で電気のムダを30%以上削減

今、私たちの暮らしに欠かせない「電気」の事情が大きく変わろうとしています。世界的に火力発電の燃料代が値上がりし、私たちの電気代を直撃し続けている今、二酸化炭素を出さないクリーンな電気への切り替えは、誰にとっても他人事ではありません。

その解決策として、東京都で太陽光パネルの設置が義務化されるなど、家庭で電気を作る仕組みはどんどん広がっています。

しかし、ここで一つの意外な事実があります。実は、太陽光パネルが増えれば増えるほど、昼間に作った電気が余ってしまい、使い道がなくて捨てられるというもったいない事態が全国で増えているのです。

普及した太陽光パネルなどで電気が作られてしまった場合、送電線のパンクを防ぐため電力会社が「出力制御」というものを行い、発電をストップさせます。

2026年3月1日には、東京電力が首都圏で初めてこの「出力制御」を行ったことは大きな話題にもなりました。(参照:東京電力パワーグリッド株式会社

お客様

太陽光パネルを設置したら作った電気をすべて使い切れると思っていたよ

お客様

せっかく作った電気をできるだけムダなく使い切るにはどうすればいいの?

注目されているのが、人間の管理や単純なタイマー予約では追いつかないAIによる電気の予測とコントロールです。スマートエネルギー関連企業や公的機関の報告では、AIによる需要予測と機器の自動制御を組み合わせることで外部から購入する電力量やピーク時の負荷を最大30%程度抑制できた事例が数多く確認されています。

この記事では、まず出力制御のしくみ、そして出力制御を減らし、電気を無駄なく使い切るために今、電力会社や企業がどのような取り組みを行っているのかを詳しく解説します。

この記事を読むことで、再エネや太陽光発電の最新事情が理解でき、将来に備えることができますよ。

目次

太陽光発電が増えても電力不足が終わらない理由

太陽光パネルを設置すれば、作った電気をすべて自由に使い切れると思われがちですが、実はそうではありません。電気には作った瞬間に消費するか、どこかに貯めなければ消えてしまうという性質があるためです。

お客様

なぜそんなことが起こるのかしら?

お客様

そもそも太陽光発電は、作った電気を100%使い切れるという装置ではないからです

詳しく見ていきましょう。

太陽光で作った電気はすべて使えるわけではないから

家庭用の太陽光発電を例に見てみましょう。

昼間は太陽光パネルが電気を作ると、まずはその場で冷蔵庫やエアコンなどの家電製品に使われます。

しかし共働きのご家庭などで昼間には家が留守の場合、家で使われる電気はごくわずかです。

一般的な家庭では、発電した電気のうちその場ですぐに消費されるのは全体の3割程度と言われています。

残りの7割は、太陽光用の蓄電池設備を持っている家庭なら蓄電池の容量分は電気を貯めておいて後で使うことができます。蓄電池がない場合、または蓄電池に入りきらない電気は電線を伝って電力会社に買い取ってもらうことになります。

しかし、電力会社の方も電気を無限に買い取れるわけではありません。

出力制御で発電が止まるから

電力会社が買い取った電気は、工場や学校などへ運ばれますが、送電できる量には限りがあります。

例えば、学校や工場が休みの日に、全国の家庭から一斉に余った電気が送られてくると、送電網がパンクして大規模な停電を招く恐れがあります。これを防ぐために、電力会社が発電を強制的に止めるのが出力制御という仕組みです。

つまり、電力会社が取り扱える以上の量の発電が起こりそうになった場合は、まだ発電できるだけの設備を持っていたとしても発電は安全のためストップしてしまいます。

お客様

電力会社が買い取って、大きな電池に貯めて夜に配ることはできないの?

地球未来図

実は、街全体の電気を丸ごと貯めておけるような巨大な電池は、今の技術でもまだ足りていないのです。だから、余りすぎると捨てるしかなくなってしまいます。

お客様

太陽光パネルで電気を作る準備はできているのに、タイミングが合わないだけでエネルギーがお蔵入りしているような状態なんだね

合わせて読みたい記事:

太陽光の売電が始まらない!申請手続きのコツと自家消費で得する方法

【最新】日本の発電方法ランキング・再生可能エネルギーの普及割合はどれくらい?

九州では約36万世帯が1年間使う電気が出力制御されている

九州地方は日照条件がよく、太陽光パネルも普及しているため発電量がもともと多く、その分、近年出力制御も増えていることが懸念されてきました。

2024年度 出力制御量が多い地域トップ4(年間)】

1位九州約13.08億kWh
2位東北約7.85億kWh
3位中国約3.79億kWh
4位四国約7.61億kWh

出典:資源エネルギー庁

お客様

 約13億kWhってどのくらいの電気量なのかしら?

地球未来図

約13億kWhは換算すると約36万世帯が1年間使う電気です。

この約13億kWhは、九州で発電された電力全体のうち約4.8%ですので、割合としてはそれほど多くないのかもしえません。

また、2026年3月1日には、関東エリアにおいて初めて再生可能エネルギーの出力制御が実施されました。これは、これまで九州など一部地域で主に見られてきた現象が、ついに電力需要の大きい関東でも起き始めたことを意味します。(東京電力パワーグリッド株式会社

この日は天候に恵まれ、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの発電量が大きく増加しました。一方で、春先で気温が穏やかだったこともあり、電力需要はそれほど伸びず、供給が需要を上回る状態だったそうです。

電力会社は火力発電の出力をできる限り引き下げ、さらに揚水発電なども活用して余剰電力の吸収を行いましたが、そうした調整を行ってもなお電力が余り、最終的に約184万kW分の電力が供給過多となりました。

これまで出力制御は主に九州などで問題視されてきましたが、関東でも実施されたことで、今2025年度の予測データでも、再エネの普及に伴いこの制限回数はさらに増えると見込まれています。

ではここからは、「電気のお蔵入り問題」を解決するさまざまな取り組みを紹介していきます。

合わせて読みたい記事:

【2026】国内外の環境トピック10選|脱炭素・循環型社会の事例と最新動向

電力会社・送配電事業者が行う取り組み

電気を今よりも有効活用し、無駄を限りなく少なくするために注目されているのが、VPP(仮想発電所)やDR(デマンドレスポンス)です。

これらを正確に、かつ手間なく動かすためにはAIの活用が必須となります。

詳しく見ていきましょう。

VPP(仮想発電所):街全体を一つの大きな電池にする

仮想発電所(VPP・バーチャルパワープラント)とは、電力会社が巨大な電池を自前で持つ代わりに、各地に点在する家庭の蓄電池や電気自動車(EV)、工場の設備などをネットワークでつなぎ、まるで一つの巨大な発電所のように動かす仕組みです。

地球未来図

ここで活躍するのがAIです。 

各家庭や工場にある太陽光パネルや蓄電池を繋いで、発電所レベルの電力を生み出すには、数万台もの機器を束ねる必要があります。

AIは、その膨大な数の機器に対して「今、充電してください」「今、電気を戻してください」という正確な指示を瞬時に出します。太陽光が余る昼間に一斉に充電し、足りなくなる夕方に一斉に放電させることで、物理的な巨大電池がなくても電気を無駄なく使い回せるようになります。

合わせて読みたい記事:

VPP(仮想発電所)は広まるのか?実情と未来の在り方を考える

デマンドレスポンス(DR):使う側が協力する電気の譲り合い

デマンドレスポンス(DR)とは、電気が足りなくなりそうな時に、使う側が自動で消費量を調整して協力する仕組みです。「デマンド=需要」、「レスポンス=応答」という意味がありますが、実際には足りないところに電気を優先する「電気の譲り合い」という意味で使われています。

譲り合いや協力といっても、無理に家電を消して我慢するのではなく、AIが自動でお店の照明をほんの少しだけ暗くしたり、空調の温度を1度だけ調整したりしてくれる仕組みを利用するだけです。

お客様

ここでもAIが活躍するのね

日本ではすでに、大手電力会社や新電力が「節電チャレンジ」などの名称でDRを実施しています。協力した際の報酬は、専用のアプリでポイントがもらえたり、翌月の電気代から差し引かれたりする形が一般的です。

また、最近では「DR対応」の蓄電池やエアコンを導入する際に、国から高額な補助金が出る制度も始まっており、機器を設置すること自体が実質的な報酬やメリットに繋がる仕組みも整ってきています。(参考)

合わせて読みたい記事:

デマンドレスポンスとは?仕組みやメリットまでわかりやすく解説!

発電所の無駄をなくすAIの先読み技術

地域全体の大きな電気の流れを守る現場でも、AIは24時間フル稼働しています。明日の天気や気温、過去のイベントデータなどを分析し、地域全体で1分間にどれだけ電気が使われるかを高い精度で予測します。この先読みがあるからこそ、太陽光が多すぎる時は火力を絞り、逆に発電が落ちた時は瞬時に火力を上げるといった、発電所の「蛇口」の細かい調整が可能になります。

地球未来図

生成AIなどの開発には大量の電力が必要で問題視されることもありますが、こうした制御用のAIは、電気の無駄を大きく減らすために欠かせない役割を担っています。

合わせて読みたい記事:

生成AIに伴う環境負荷とは?データセンター増加で電力を大量消費

AIで電力不足は本当?動画10秒で生成でPC半日利用分の電力が必要

工場や企業ビルが行う電気の需要予測の取り組み

企業のオフィスビルや工場でも、AIを活用して天気や稼働スケジュールを緻密に計算することで、電気の利用量を劇的に最適化する取り組みが進んでいます。特に注目されているのが「ピークカット」「ピークシフト」という手法です。

これらの仕組みを最大限に活かすには、電気を貯めておける「蓄電池」が不可欠であり、さらに自社で「太陽光パネル」を併設することで、外部から買う電気を最小限に抑えることが可能になります。企業が賢く電気を使うことは、経営コストの削減だけでなく、社会全体の電力安定にも大きく貢献しています。

ピークカット:電気の最大使用量を抑えて基本料金を削る

企業の電気代の基本料金は、一年間で最も電気を多く使った「瞬間(ピーク)」の数値によって決まる仕組みになっています。つまり、たった数十分間でも大量に電気を使ってしまうと、その後の基本料金が一年間にわたって高止まりしてしまうのです。

そこでAIは、翌日の稼働状況を先読みし、電気が最も使われそうな時間帯に、あらかじめ貯めておいた蓄電池から電気を供給するように指示を出します。これを「ピークカット」と呼びます。電力会社から買う電気の最大量を低く保つことで、年間の固定費を数百万円単位で節約できるケースも珍しくありません。

ピークシフト:電気が安い時間帯に業務行程をずらす

24時間稼働している工場などでは、AIが「明日の昼間は太陽光で電気が余って安くなる」と判断すれば、電力消費の激しい工程をあえてその時間帯にずらす「ピークシフト」を行います。

人間が複雑な生産スケジュールを一つずつ書き換えるのは大変な作業ですが、AIなら一瞬で最適な計画を弾き出すことができます。こうした時間の工夫によって、本来なら捨てられるはずだった再生可能エネルギーを有効活用しながら、企業の光熱費を大幅にセーブすることが可能になります。

合わせて読みたい記事:サステナブルな企業事例・国内外で環境貢献度の高い活動から学ぶ 

お客様

企業が賢く電気を使ってくれると、私たち一般家庭の電気も安定しやすくなるのね

地球未来図

その通りです。大きな工場が協力してくれることで、地域全体の電気のパンクを防ぐ大きな力になるのです

HEMS(ヘムス)が実現する家庭での賢い自給自足

家庭での太陽光エネルギー活用を劇的に変えるのが、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)と呼ばれる「家のエネルギー管理担当のAI」です。これまでは、太陽光パネルや蓄電池を導入しても、住人が手動でお湯を沸かす時間を変えたり、蓄電池のモードを切り替えたりする必要がありました。しかし、最新のAIを搭載したHEMSは、住人に代わって24時間365日、最も効率的な電力運用を自動で判断します。

具体的には、AIが「翌日の天気予報」と「その家庭の電気使用パターン」を掛け合わせて分析します。例えば、翌日が快晴だと予測した場合、AIは夜間の安い深夜電力での蓄電池充電をあえて控え、昼間の太陽光を貯めるための「空き容量」を確保します。さらに、通常は夜間に沸かす設定のエコキュート(給湯機)に対し、「明日は昼間の太陽光でお湯を沸かした方がトクだ」と判断して運転時間を自動でシフトさせます。

お客様

AIなしで設定を毎日細かく、正確に変更するのは、ほぼ不可能だものね

地球未来図

その通りです。

AIが家族のライフスタイルを学習し、『何時に誰がお風呂に入るか』『何時に洗濯機を回すか』まで考慮して、捨てられるはずだった太陽光エネルギーを1%でも多く家の中で使い切れるよう、裏側で緻密にコントロールしてくれます。

合わせて読みたい記事:

スマートハウスはメリットあり!太陽光発電と合わせた住宅設計を紹介

太陽光パネルにはHEMS(ヘムス)がおすすめ|電気の自動最適化

まとめ:AIが「電気の指揮者」になる未来

太陽光パネルで発電しても、電力網のパンクを防ぐための「出力制御」によって、せっかくの電気が捨てられてしまうという現実があります。この「もったいない制限」を打破し、再生可能エネルギーを真に使い切る鍵となるのがAIです。

AIは「電気の指揮者」として、電力会社、企業、そして個人の家庭というすべてのレベルで電力運用の最適化を可能にしました。電力会社による高精度な需要予測、企業の「ピークカット」や「ピークシフト」、そして家庭の「HEMS」による自動制御。これらがAIによって統合されることで、無駄のないエネルギー循環が生まれています。

今後は、太陽光発電の普及の次のステップとしてVPP(仮想発電所)や、賢い節電であるDR(デマンドレスポンス)の普及がさらに加速していくでしょう。AIを賢く取り入れることは、単なるコスト削減にとどまらず、社会全体の脱炭素化を力強く推し進める原動力となるはずです。

私たち「地球未来図」では、“これからの環境問題”に向き合うための情報として、脱炭素・ネイチャーポジティブ、そして太陽光発電の知識をわかりやすく紹介しています。

【PR】

地球未来図を運営する株式会社レオフォースは太陽光発電・蓄電池の販売専門店です。

地球未来図

太陽光発電は環境にやさしいだけでなく、電気代の削減や補助金の活用といった、家計にもメリットのある選択肢です

しかし、

太陽光発電では、どんな家庭でも設置に向いているわけではありません。

太陽光発電の設置でトクになる場合と、設置をすると費用の方が高くついてしまう場合があります

お客様

そもそもウチって太陽光設備の設置はできるのかしら?

お客様

ウチの場合、いくらかかって、いくら節約できるのかを知りたい

そんな疑問をお持ちの方のために【無料のシミュレーション&個別相談】を実施中です。

専門のスタッフが、あなたのお住まいの条件に合わせて「本当にメリットがあるのか」「導入費用はどれくらいか」を丁寧にお調べします。

お客様

補助金で設置できる方法はある?

地球未来図

はい、東京都を中心にした関東圏で利用できる補助金もご案内します

オンラインで話をするだけで、無理な勧誘はありません。

小さな疑問、不安にも、お客様のケースに合わせて丁寧にお答えします。

未来の暮らしを守るための第一歩として、まずは無料でチェックしてみませんか?

▶︎ 無料相談のお申し込みはこちら

お客様の声をもっと見る

おかげさまで5つ星評価 ★★レオフォースのリアルな評判をチェック★★

▶︎Googleのクチコミを読む

【取材記事】

《神奈川県・海老名市のご夫婦・Y様の声》

【お客様の声】初期費用0円で念願の太陽光パネルを設置できました

《神奈川県・横浜市のご家族・T様の声》

【お客様の声】住宅ローンがあっても太陽光パネルを設置できました!

《神奈川県・厚木市のご家族・K様の声》

【お客様の声】初期費用+工事費0円で電気代が3分の1に!

SNSでシェアする

地球未来図について

地球未来図は株式会社レオフォースが運営する「未来の地球のために、私たちがいまやるべきこと」を紹介するメディアサイトです。太陽光システム、再生可能エネルギー、脱炭素、自然環境の保護をテーマに、エコライフを正しく理解するために知っておきたい最新情報をお届けしています。

目次