スマートハウスの勧誘がしつこくてお困りですか？
スマートハウスや太陽光パネル、蓄電池は、近年とくに訪問販売などの勧誘件数が多くなっています。環境や家計にやさしいスマートハウスを導入するのであれば、いい業者から気持ちよく購入したいものです。
この記事を読めば、スマートハウス勧誘の手口や悪い業者の見分け方を知ることができます。スマートハウスの勧誘で騙されない方法や、しつこく営業してくる業者を撃退する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- スマートハウス勧誘の手口
- 悪質な訪問販売業者の見分け方
- 悪質な訪問販売業者への対処法
スマートハウスとはどんな家？
スマートハウスとは、コンピューターの力を使って使用するエネルギーを最小限に抑えることができる省エネ住宅のことを指します。
コンピューターの力を使い、電気などのエネルギーを効率的に使用することができるので、毎月の電気代が下がり、環境にやさしい生活を実現できる点がスマートハウスの大きなメリットです。
近年人気のスマートハウスには「この設備があったらスマートハウス」といったような明確な定義はありませんが、スマートハウスにはHEMSや太陽光パネルなどの省エネ設備が導入されているケースが多いです。
太陽光パネルや蓄電池は、近年人気の設備です。人気の設備ゆえに訪問販売などの勧誘が増えており、スマートハウス化に関する勧誘も比例して増えているのが現状です。
HEMS
HEMSは、コンピューターを利用して家庭内で使用する電気を最適化する住宅設備です。他のスマート家電と連携させることで、使用していないときに電源をオフにしたり、エアコンを自動で調節したりできるようになります。
さらに、スマートメーターと連携することで、毎時間ごとの電気使用量を家電ごとにチェック可能です。家電ごとに電気使用量を確認できるので、節電意識も高まります。
スマート(Smart)には「かしこい」という意味があり、今や誰もが持っているスマートフォンも同じ意味で使われます。スマート家電には、エアコンをはじめ冷蔵庫、ロボット掃除機、洗濯機などがあり、スマート家電を導入することで家庭内の電気消費量を減らすことが可能です。
太陽光パネル
スマートハウスと相性のいい設備として、太陽光パネルが挙げられます。太陽光パネルは、自宅で再生可能エネルギーを作り出すことができるので、大幅な電気代の節約が見込める住宅設備です。再生可能エネルギーは環境にやさしいことでも知られ、近年注目を集めています。
HEMSと太陽光パネルを連携させることで、発電量を確認することが可能です。さらに、発電した電気をHEMSが効率よく使用してくれるので、省エネ生活を送ることができます。再生可能エネルギーといえど、太陽光パネルで発電した電気は有限です。HEMSと太陽光パネルを併用することで、限りある電気を効率的に使用できます。
蓄電池
蓄電池は、電気をためることで電気代の節約や停電対策が可能になる住宅設備です。太陽光パネルと同様、スマートハウスやHEMSと相性のいい設備のひとつです。
ただ、蓄電池を導入したからといってスマートハウスになるわけではありません。蓄電池はあくまで、太陽光発電やHEMSが電気を効率的に使うのに役立つ設備のひとつです。実際に、蓄電池はHEMSや太陽光パネルと併せてスマートハウスに設置されるケースが多く、スマートハウス化に役立つ住宅設備です。
蓄電池の代わりに、V2Hや電気自動車を導入する家庭もあります。V2Hは、電気自動車を充電できる住宅設備で、電気自動車内の電気を自宅で使用することも可能になる設備です。V2Hと電気自動車は、蓄電池の代わりとして活用できるので、電気代の節約が可能です。
スマートハウスの訪問販売の手口は？
スマートハウスの人気が高まるにつれ、太陽光パネルや蓄電池の訪問販売などの勧誘が増えています。中には、訪問販売で嫌な思いをする人がいたり、悪徳業者に勧誘をされたりなど、トラブルが起こるケースも実際にあります。
2022年には、太陽光パネルの販売に関する相談件数は2,089件でした。（参照1）相談内容の中で一番多かったのは、契約と解約に関する相談で1,524件です。（参照1）2022年の相談件数を見ても、太陽光パネルなどの販売に関する被害が多いことがわかります。
スマートハウスの勧誘で、悪徳業者と契約を交わしてしまうことを防ぐには、最近使われている訪問販売の手口を知っておくのが良いでしょう。下記に、悪徳業者がよく使う訪問販売の手口をまとめました。訪問販売の業者が来たときに備え、覚えておいてくださいね。
参照1：資源エネルギー庁
補助金が出るので安く設置できると注意をひく
太陽光パネルや蓄電池には、国や自治体から補助金がでることがあります。訪問販売では、補助金が出るから安く購入できると話をされるケースがあります。
太陽光パネルや蓄電池の導入で補助金が出た場合、実際の購入金額よりもお得に設備を導入できることは事実です。
しかし、訪問販売では設置費用やアフターケアの金額などの追加コストを隠し、安さを強調して契約を迫るケースがよくみられます。
太陽光パネルや蓄電池には、本体費用以外に設置費用（10万円前後）、アフターケア（数万円から）などの費用が必要です。補助金で本体が安く導入できるからといって、工事費やアフターケアの料金が無料になるわけではないので注意しましょう。
さらに、補助金が出るから安く設備を導入できると契約を迫り、実際には補助金の申請がされておらず、補助金が受け取れなかった事例が報告されています。（参照2）
補助金は、期限内に申請しなければ受け取ることができません。補助金で安くなると思っていたのに、申請ができていなかったら、全額を自費で支払う必要があります。
参照2：国民生活センター
無料点検をして、嘘の診断結果で契約を進める
訪問販売をする業者の中には、無料で点検を行い設備が故障しているから修理や交換が必要だといって契約を迫る業者がいます。点検を無料で行ってくれると言われても、安易に点検を依頼してはいけません。
中には「近所で工事があり、あいさつで回っている」と嘘をつく業者も存在するので、突然の訪問客には注意しなければいけません。
とくに、太陽光パネルは無料点検での詐欺まがいの被害が多くあります。悪質な業者の中にはわざとパネルを壊したり、割れていると嘘をついたりするケースもあるので、無料点検には注意しなければいけません。
太陽光パネルの点検をしてくれるからと言って、屋根の上までついていくことは難しいですよね。無料点検はどの設備でも注意しなければいけないですが、太陽光パネルなど点検の様子を観察できない設備はとくに注意が必要です。
環境のためにと強引に話を進める
スマートハウスを実現すれば、環境にやさしい生活を実現できます。実際に東京都では、新築住宅を建築する工務店に対して太陽光パネルの義務化が始まり、世界的にもスマートハウスや太陽光パネル、蓄電池の需要が高まっています。
しかし、訪問販売業者の中には「環境にやさしい」ことを理由に、強引に契約をしようと迫る営業マンがいます。あたかも、太陽光パネルや蓄電池を導入していないのが環境汚染に繋がるかのようなことを言い、契約を迫るケースも多いです。
いくらスマートハウスや太陽光パネルが環境にいいとはいえ、導入していないから環境汚染をしているわけではありません。強引に契約を迫る業者の中には、設備を高額な値段で売りつけたり、無理やりに近い形で契約を取り付けたりする業者がいるので注意が必要です。
とくに、太陽光パネルを取り外して新しい太陽光パネルを取り付ける場合は、信用できる販売業者から設備を購入しなければいけません。太陽光パネルは環境にいい設備ですが、取り外したあとにリサイクルなしで処理されてしまったりしたら、環境に悪影響を与えてしまいます。
太陽光パネルを引き取ってもらう場合は、太陽光パネルをリサイクルしてくれる業者を選ぶことで、環境にやさしい方法でパネルを処分できます。
訪問販売業者はすべて悪徳業者なの？
訪問販売業者は、全ての業者が悪い業者ではありません。近年、スマートハウスの関連設備は人気が高く、店舗やオンラインで設備を販売している会社も多いです。太陽光パネルの設置に向いていない住宅もあり、太陽光パネルの設置が向いている住宅を訪問して、営業する善良な会社も多くあります。
ただ、先述した通り訪問販売で悪質な営業や契約をする会社があるのも事実です。中には、訪問販売だけではなく、店舗やネット販売でも相場を超えた設備を販売していたり、強引に契約を結ぼうとしたりする販売業者も多くいます。
「訪問販売だから危ない」、「店舗販売だから安全」、「ネット販売だから安全」ということはないので、勧誘された会社ごとに信用できるかを確認しましょう。不安なことや分からないことはひとつひとつ確認したり、契約書をしっかり確認したりして、信頼できる業者を見分けなければいけません。
悪徳な訪問販売業者の見分け方と対処法
訪問販売自体は法律で禁止されておらず、この先もなくなることはありません。スマートハウスの勧誘を含め、訪問販売業者はこの先も自宅を訪れる可能性が高いでしょう。今後スマートハウスに関する訪問販売が来たときのため、悪質な訪問販売業者の見分け方と対処法を解説します。
どんな購入方法であれ、不安を感じているなら契約しないことが一番です。訪問販売会社の中にも、善良な会社は存在します。悪質業者と善良な業者を見分けるためにも、見分け方と対処法を知っておいてくださいね。
その場で書類に契約させる業者には関わらない
スマートハウスをすすめる業者に限らず、悪徳業者はその場で契約を迫るケースが多いです。なぜかというと、他の会社と比較されたり、家族や友人に相談されたりすると、契約がおかしいことや、設備の高額さに相手が気づいてしまうからです。
とくに、太陽光発電や蓄電池はライフスタイルや家の環境によって、メリットがない場合があります。太陽光発電や蓄電池を導入するときは、家の状況やライフタイルを再確認し、シミュレーションを行ってから設備を購入するのが重要です。
また、太陽光発電や蓄電池は人気設備でありながら、相場を知っている人は少ないのではないでしょうか？多くの人が相場を知らないことをいいことに、高額な設備を売りつけようとする悪徳業者が存在するので、絶対にその場で契約をしてはいけません。
シミュレーションをせず、その場で契約をせまる業者は、絶対に信用してはいけません。訪問販売などですぐに契約をせまられた場合、契約したくないという意思をはっきり伝えましょう。
しつこすぎる業者は通報する
訪問販売の場合、自宅に営業マンが訪れるので店舗のように「しつこいから帰る」ということができません。もし、訪問販売でしつこい業者が何度も現れる場合や、断っても帰ってくれない場合、警察に通報しましょう。強引に屋根にあがって点検を行おうとする業者も、通報して問題ありません。
とくに、高齢者や断るのが苦手な人は、しつこい業者に注意が必要です。はっきり断られないのをいいことに、何度もしつこく営業をする業者が実際に存在します。
スマートハウスに興味がある場合であっても、しつこく何度も営業されるのはいやですよね。少しでも嫌だと感じた場合は、キッパリ断ったり、警察や消費者センターへ相談しましょう。
しつこい業者が何度も訪問販売に訪れる場合、家族や友人などに相談してみましょう。身近な人たちに相談しても解決しない場合は、国民生活センターや消費者センターに相談するのがおすすめです。会社名が分かれば、しつこい営業を行わないように注意をしてもらうことができます。
見積もりが高すぎないか他社と比較検討をする
訪問販売では、見積もりを出されてもその場で他の会社の価格と比較検討できません。訪問販売で訪れた業者の感じがよく、スマートハウスに興味があって設備の導入に前向きであっても、必ず他の業者の見積もりも確認してから契約しましょう。
感じがよく、しつこくないからと言って、契約方法や金額に問題がないとは限りません。設備の導入費用が高すぎて、後から後悔しないためにも3社から4社の見積もりをとることがおすすめです。
すでに訪問販売で契約している場合は、工事前であれば契約をキャンセルできます。訪問販売では、クーリングオフも適用されるので、困ったときは消費者センターや国民生活センターへ相談してみましょう。
また、スマートハウスに関する設備や工事費用の相場を知っておくのも良いでしょう。相場を知っていれば、見積もりの金額が適正であるか判断できます。
見積もりは書面など形に残る状態で請求し、家族などの信頼できる人と相談しながら比較検討することで、悪徳業者から設備を購入してしまうのを防ぐことができるでしょう。
まとめ：スマートハウスの勧誘には知識をもって冷静な対応を
省エネで節約にもなるスマートハウスは、導入したいと考える人も多いです。しかし、ライフスタイルや家の環境によっては、メリットが少ない可能性があるので、設備の導入には慎重にならなければいけません。
太陽光発電や蓄電池に向いている家には、複数社の営業マンが定期的に訪れることがあります。スマートハウスの勧誘に対処したい場合は、設備の相場や購入の流れを知っておきましょう。
設備の導入に不安がある場合は、何度でも質問して納得してから購入を決定してください。契約書もしっかり確認し、不安がない状態で契約できる会社を選びましょう。
