SDGsと脱炭素は国際的な取り組みとして近年、話題になっています。しかし、SDGsと脱炭素の関係やそれぞれの意味をあまり知らない方が多いのではないでしょうか?
SDGsは2030年までに世界中の人々が安定して暮らすために達成すべき17の目標のことで、脱炭素はCO2(二酸化炭素)の排出量をゼロにすることです。
二つの関係性がよくわからない方に向け、この記事ではSDGsと脱炭素の意味と役割、それぞれの違い具体的な取り組みをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、SDGsと脱炭素の関係性や必要性がわかるようになるため、最後までぜひお読みください。
環境にやさしい生活、家にするにはどんな設備をいつ設置するのがいいのか、スマートハウスや再生可能エネルギーに興味のある人は、ぜひレオフォースにご相談ください。
太陽光システムや蓄電池、オール電化、エコキュートの導入などお客様、一件、一件のライフスタイルに合わせて、最適な設置プランを設計、さらにパネル選び、補助金の申請や工事の手配まで、1000件以上の取り扱い実績で安心してお任せいただけます。
無料相談はこちらから
SDGsと脱炭素の意味と違いは?
SDGsと脱炭素はそれぞれ異なる意味を持っています。関係性を詳しく理解するために、まずはSDGsと脱炭素の意味と役割、二つの違いをわかりやすく説明していきますね。
SDGsの意味
SDGs(エスディージーズ)とはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、世界中の人々が安定して暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき17の目標です。
産業革命により技術が発展したことで、私たちの生活は豊かになりました。しかし、それに伴い世界中で貧困や格差、気候変動などが問題となっています。
世界では6人に1人の子どもが貧しい暮らしをしていることをご存知でしょうか?
この数字はユニセフにより公表されたもので、発展途上国や農村部では貧困に苦しむ人が数多くいます。(参照1)
また、環境問題も深刻です。森林伐採やCO2(二酸化炭素)の排出が増えたことで、地球の平均気温が上昇しており、世界各地で海面上昇や干ばつ、異常気象などが起きています。
このような国際的な経済・社会・環境の問題を解決するために、SDGsは作られたのです。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択され、ほぼ全ての国で取り組まれている国際目標となっています。
参照1:公益財団法人 日本ユニセフ協会
脱炭素の意味
脱炭素とはCO2の排出量を実質ゼロにすることです。CO2の排出量を完全に無くすことは難しいため、できる限りCO2の排出量を減らしながら、排出してしまったCO2を吸収・除去することで、差し引きでゼロにします。
カーボンニュートラルとは何が違うの?
カーボンニュートラルはCO2を含めた温室効果ガス全体の排出量を実質ゼロにすることを意味します。脱炭素はCO2に注目しているのに対し、カーボンニュートラルは温室効果ガス全体に注目しているのが違いです。
ただし、温室効果ガスの中でCO2の割合が最も高いため、脱炭素がカーボンニュートラルと同じ意味で使われることもあります。
近年、国際的に脱炭素を目指す動きが活発になっています。なぜなら、CO2は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つだからです。
産業革命によりCO2の排出量が増えたことで、世界の平均気温は1850年〜1900年と比べ、約1.1℃上昇しており、このままだとさらに平均気温が上昇するといわれています。(参照2)
地球温暖化は急激な気候変動を起こし、地球にも私たちの生活にも被害を与えてしまいます。地球と私たちの生活を守るためには、脱炭素への取り組みが必要です。
実際にCO2の排出量を実質ゼロにした社会を「脱炭素社会」と呼び、日本は2050年までに脱炭素社会を目指すと宣言しています。(参照3)
参照2:カーボンニュートラルとは 環境省
参照3:資源エネルギー庁
SDGsと脱炭素の違い
SDGsと脱炭素はどちらも国際的な取り組みですが、二つには違いがあります。
脱炭素は地球温暖化や気候変動などの環境問題を解決するための目標であるのに対し、SDGsは環境問題だけでなく、経済問題・社会問題も解決するための目標です。
SDGsはより多くの課題解決を目標としており、その中には脱炭素と関係する目標もあります。
そのため、脱炭素はSDGsの「持続可能な世界の実現」という目標を達成するための手段ともいえるでしょう。
SDGsで脱炭素は何番の目標に関係しているの?
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsは17の目標で構成されています。その中で、脱炭素は目標07「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と目標13「気候変動に具体的な対策を」に関係しています。
脱炭素がどのように関係しているか、それぞれ具体的に解説していきますね。
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」には化石燃料の利用を減らして、再生可能エネルギーの利用を増やす取り組みがあります。
再生可能エネルギーとは太陽光や風力などのCO2を排出しないエネルギーです。言い換えると脱炭素化されたエネルギーであるため、目標7ではエネルギー面で脱炭素と関係があるといえます。
目標13「気候変動に具体的な対策を」では各国が気候変動対策を計画し、実行することが取り組みの一つになっています。気候変動は温室効果ガスによる地球温暖化が大きな要因です。
地球温暖化を抑えるにはCO2やメタンなどの温室効果ガスの排出量を減らす必要があり、日本を含めた多くの国が脱炭素を政策に取り入れています。
そのため、目標13では気候変動対策として脱炭素が関わっているといえるでしょう。
脱炭素はSDGsの目標7と13以外に、間接的に関係している目標もあります。たとえば、気候変動は農作物にも被害を与えるため、脱炭素により地球温暖化を抑制できれば、目標2「飢餓をゼロに」の達成に貢献できるでしょう。
このように、脱炭素はSDGsの複数の目標と深く関係しています。
なぜ脱炭素を目指す必要があるの?
SDGsと深く関係している脱炭素ですが、なぜ世界中で脱炭素を目指す必要があるのでしょうか。
大きな理由としては以下の二つが挙げられます。
- 地球温暖化を防ぐ必要があるから
- 化石燃料が枯渇するから
CO2の排出量が増えたことで、地球温暖化が国際的な問題になっています。地球温暖化は気候変動の原因となり、世界各地で大規模な山火事や洪水、干ばつ、異常気象などの被害が増えています。
以前と比べて、暑い日や大雨の日が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか?
実際、日本では1時間降水量80mm以上や3時間降水量150mm以上などの大雨の頻度が1980年頃と比べて約2倍に増加しています。(参照4)
また、猛暑日(最高気温35℃以上)の最近30年間(1994〜2023年)の平均年間日数は、統計期間の最初の30年間(1910年〜1939年)の平均年間日数と比べて約3.8倍です。
大雨や猛暑日が増えたことで、洪水や熱中症などの被害も増えています。地球温暖化による異常気象から私たちの生活を守るためには、脱炭素が必要になります。
化石燃料の枯渇も脱炭素を目指す理由です。化石燃料は限りのある資源で、2020年の調査では、このまま世界中で使い続けると約53.5年で使い切ってしまうといわれています。(参照5)
また、化石燃料はCO2を排出するため、地球温暖化を防ぐためにも利用を減らさなくてはいけません。
そのため、CO2を排出せず、何度でも使える持続可能なエネルギー(再生可能エネルギー)に切り替えていく必要があります。
このような地球温暖化やエネルギー問題を解決するためには脱炭素を目指す必要があるのです。
参照4:大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化 気象庁
参照5:第2節 一次エネルギーの動向 資源エネルギー庁
SDGsと脱炭素に向けた日本の目標
日本はSDGsで重要分野とされている人間(People)、地球(Planet)、繁栄(Prosperity)、平和(Peace)、連帯(Partnership)の5つのPを取り入れた「8つの優先課題」をSDGsの目標としています。(参照6)
【SDGsにおける日本の8つの優先課題】
人間(People) | 1.あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現 2.健康・長寿の達成 |
地球(Planet) | 3.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション 4.持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備 |
繁栄(Prosperity) | 5.省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会 6.生物多様性、森林、海洋等の環境の保全 |
平和(Peace) | 7.平和と安全・安心社会の実現 |
連帯(Partnership) | 8.SDGs 実施推進の体制と手段 |
SDGsの取り組みを広げるために、国は全省庁の具体的な施策をまとめた「SDGsアクションプラン」の公表や、SDGs達成への取り組みが優れている企業や団体などを表彰する「ジャパンSDGsアワード」の開催を行っています。
脱炭素においては、日本は2050年までに脱炭素社会を目指しており、具体的な目標は以下のとおりです。(参照7)
- 2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す(さらに、50%の高みに向け挑戦する)
- 2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにする
目標達成に向け、国は再生可能エネルギーの導入支援や空気中のCO2を回収する新技術への支援などを行っています。
SDGsと脱炭素の目標達成に向け、取り組みを進めている日本ですが、課題もいくつかあります。
2024年6月に国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」から公開された国際レポートによると日本のSDGs達成度は167ヵ国中18位でした。(参照8)
しかし、17の目標の内5つの目標が前年に続いて最低評価となっています。最低評価を受けた目標の中には脱炭素が関係する目標13「気候変動に具体的な対策を」も含まれています。
日本のCO2排出量は多いと評価されており、SDGs達成には脱炭素へ向けた取り組みをよりいっそう進めていく必要があるでしょう。
参照6:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組 外務省
参照7:地球温暖化対策計画 環境省
参照8:The Sustainable Development Report 2024 SDSN
SDGsと脱炭素に必要な取り組み
SDGsと脱炭素社会を実現するには、国だけでなく企業や個人の取り組みも必要です。具体的には以下の4つがあります。
- 再生可能エネルギーを導入する
- フードロスを減らし、リサイクルを増やす
- 省エネなライフスタイルを送る
- カーボンオフセットを活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
再生可能エネルギーを導入する
脱炭素には再生可能エネルギーの導入が不可欠です。日本ではエネルギー消費によるCO2の排出量が全体の8割以上を占めており、化石燃料による火力発電から太陽光発電への切り替えが重要だと考えられています。(参照9)
太陽光発電に切り替えるとどのくらいCO2排出量が減らせるの?
太陽光パネルの製造時に排出してしまうCO2を考慮しても、太陽光発電は火力発電と比べて、わずか3%程度にCO2の排出量を抑えられます。
たとえば、企業が使用する電気を太陽光発電に切り替えると、1kWhあたり約500g~900gのCO2排出量を削減できます(参照10)
太陽光パネルは企業だけでなく個人の住宅にも導入できます。太陽光発電は環境にやさしいだけでなく、発電した電気を無料で使えるため、電気代の節約にもなりますよ。
国が支援をしながら、企業や個人が再生可能エネルギーを積極的に導入していくことが脱炭素の実現には必要です。
参照9:2022年度の温室効果ガス排出・吸収量(概要) 環境省
参照10:温室効果ガス排出量の削減 国立研究開発法人産業技術総合研究所
フードロスを減らし、リサイクルを増やす
廃棄物を処理する際にもCO2は排出されます。そのため、大量生産をやめ、繰り返しつかえる素材に変えることで、ごみを減らす必要があります。
また、脱炭素だけでなくSDGsにおいてもフードロスを減らし、リサイクルを増やすことは重要です。
日本では、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」の国際的な評価が低く、プラスチックごみの輸出量の多さが問題視されています。
プラスチックごみを減らすには、企業は商品やパッケージをリサイクルできる素材に変えたり、需要に合わせて生産量を調整したりする必要があります。
また、私たち消費者が環境に配慮したサステナブルな買い物をすることも重要です。
省エネなライフスタイルを送る
私たち一人ひとりの衣食住や移動などのライフスタイルに起因する温室効果ガスの排出量は全体の約6割を占めるといわれています。
そのため、省エネなライフスタイルに変えていく必要があります。たとえば、節電・節水を意識したり、移動の際には車を使わず徒歩や自転車で移動したりするとよいでしょう。
家庭内のエネルギー効率を見直したい場合はHEMSがおすすめです。HEMSは家庭の電気利用を自動で最適化してくれるため、省エネ効果があり、電気代の節約にもつながりますよ。
カーボンオフセットを活用する
企業ではカーボンオフセットを活用することでCO2の排出量を削減できます。
カーボンオフセットって何?
どうしても削減できないCO2排出量を、他の場所で実現したCO2排出削減量で埋め合わせることで、CO2の排出量を実質ゼロにする制度です。
企業が植林や環境保護などのCO2を削減する活動をしたり、その活動に投資したりすることで実現したCO2の吸収量や削減量を、企業のCO2排出量から差し引けます。
また、CO2削減量の売り買いも可能です
CO2削減量を購入した分だけ、CO2の排出量をなかったことにできるの?
そうです。CO2削減量に経済的な価値を付けることで、CO2排出量を削減するメリットが増えるため、社会全体の脱炭素化の促進につながります
CO2の排出量を完全になくすことは難しいです。そのため、再生可能エネルギーをできる限り増やしながら、カーボンオフセットを活用してCO2の排出量を削減する必要があります。
SDGsと脱炭素は地球と私たちを守るためにある
SDGsは社会・経済・環境の問題を解決するための目標であり、脱炭素は地球温暖化や気候変動などの環境問題を解決するための目標です。そして、地球と私たちを守るための取り組みでもあります。
SDGsと脱炭素の実現には国や企業だけでなく、個人での取り組みも必要です。
地球の豊かな自然や、私たちの大切な生活を守るためにも、自分にできることはないのかを考えてみましょう。
自宅への太陽光発電の導入を検討したり、省エネを意識したライフスタイルを送ったりしてみてはいかがでしょうか。
太陽光システムの専門家・レオフォースなら、お客様ひとりひとりのお宅の状態やご希望に合わせて、専門知識のある担当者が、わかりやすく最適なプランを提案いたします。
パネル自体の耐久度、保証内容など業界の内情も隠さずにお伝えし、10年・20年後にお客様に不利益がないように万全のサポートをします。
お気軽に無料相談をご利用ください。
無料相談はこちらから
Lineでのお問い合わせはこちらから