再生可能エネルギー国内・海外企業、自治体の取り組み事例10選

再生可能エネルギーの取り組み事例

再生可能エネルギーとは太陽光や風力、地熱など自然界に存在するエネルギーです。使い続けても枯渇せず繰り返し使える、CO2(二酸化炭素)を排出しないなどの特徴があります。

近年、世界的に問題視されている環境問題は地球温暖化です。CO2は地球温暖化の原因になる温室効果ガスの一つであるため、CO2を排出しない再生可能エネルギーが注目されています。

この記事では、一般の方が身近に感じられるような再生可能エネルギーの取り入れをおこなった海外の企業4つ、日本の企業3つ、日本の自治体3つの例を具体的な成果や数値も踏まえて詳しく紹介します。

再生可能エネルギーの導入とは、企業や個人が具体的に何をすることなのか分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

目次

再生可能エネルギーを導入するとはどういうこと?

太陽光発電や風力発電などを取り入れることが、再生可能エネルギーの導入です。自宅の屋根に太陽光パネルを設置することも再生可能エネルギーの導入にあたります。

近年、再生可能エネルギーは環境にやさしいエネルギーとして重要視されています。石油や石炭を利用する火力発電はCO2を排出しますが、再生可能エネルギーを使った発電はCO2を排出しないからです。

CO2やメタンなどの温室効果ガスは地球温暖化の原因になります。地球温暖化が進むと異常気象や干ばつなどが起こり、地球環境や私たちの生活に被害を与えてしまいます。

そのため、国や企業、個人が協力して再生可能エネルギーを導入する取り組みを進めていく必要があるのです。

お客様

再生可能エネルギーは地球と私たちの生活を守るために必要なのね。日本や海外ではどのような取り組みが進められているのか気になるなぁ

地球未来図

再生可能エネルギーで作った電気を店舗で使う、太陽光パネルを導入するなどが取り組みとして挙げられます。まずは海外企業の具体的な取り組みをわかりやすく解説していきますね

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再生可能エネルギー・海外大手企業の取り組み4選

欧米の大企業は、日本企業よりも先に再生可能エネルギーの導入を発表しているケースが多く見られます。ブランディング(商品や企業に対する顧客の信頼性や共感性を高めて、商品や企業を好きになってもらう戦略)や企業の責任として再生可能エネルギーに関係する取り組みを進めているのが特徴です。

ここでは4つの海外大手企業の取り組みについて解説します。

①アメリカ・スターバックス社

コーヒーハウスチェーンのスターバックス社は、2005年から再生可能エネルギーを導入する取り組みを始めています。再生可能エネルギーで作った電気を購入しており、「2015年までに米国内の直営店の100%を再生可能エネルギーによる電気で運営する」目標を達成しました。(参照1)

その後、再生可能エネルギーの導入を世界中の店舗に広げており、カナダ、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、日本の直営店はすべて再生可能エネルギーによる電気で運営されています。

現在、スターバックスは世界中の直営店の77%を再生可能エネルギーで運営するための電力を購入しており、2025年までに「Greener Stores(グリーナーストア)」を10,000店舗に拡大することを目標にしています。

グリーナーストアとは水の使用量やCO2排出量、廃棄物を削減して環境に配慮する店舗のことです。従来の店舗と比べて、CO2排出量約30%、水の使用料約20%の削減を実現できます。

また、2030年までに水の消費量、CO2と廃棄物の排出量を50%削減することを目標にして、以下の活動に取り組んでいます。(参照2)

  • 植物由来のメニューを拡充
  • 使い捨て包装を減らし、再利用可能な容器へシフト
  • 再生型農業の実践
  • 太陽光発電や風力発電の開発への投資
  • 環境に配慮した事業運営

参照1:Energy DIGITAL
参照2:Starbucks Coffee Company

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②クラフトビールメーカー・イギリス

イギリス最大手のクラフトビールメーカーであるBrewDog(ブリュードッグ)は、2019年にカーボンネガティブを達成しています。カーボンネガティブとは、温室効果ガスの吸収量が排出量を上回ることです。

BrewDogは2019年に67,951トン(地球上の34,000人の年間排出量に相当)のCO2を排出していましたが、以下のステップでカーボンネガティブを実現しました。(参照3)

  1. CO2排出量の測定
  2. 再生可能エネルギーへの転換
  3. 廃棄物のリサイクルと再利用
  4. 植林によるCO2の吸収

ステップ1 CO2排出量の測定

カーボンネガティブを目指すために、まずは企業がどれくらいのCO2を排出しているか測定しました。CO2は自社でビールを生産するときだけでなく、原材料を輸送する際や消費者に商品を届ける際にも排出します。

そのため、自社のCO2排出量に加え、原材料やサービスを提供してくれる他社のCO2排出量も測定して、全体のCO2排出量を把握しました。

ステップ2 CO2排出量の削減

次のステップはCO2排出量の削減です。BrewDogは主要なエネルギー源を風力発電に切り替えました。また、廃棄物を処理する際のCO2排出量を減らすために、「リパーパス(新しい用途に使うこと)・リユース(繰り返し使うこと)・リサイクル」を徹底しました。

その中の一つに、ビールを発酵させる際に発生するCO2で炭酸飲料を作る取り組みが挙げられます。

ステップ3 植林

最後のステップは植林によるCO2の吸収です。カーボンネガティブを達成するには、CO2の吸収量を増やさなければなりません。そのため、BrewDogは約2,200エーカー(約9㎢)の土地を購入して、多くの木を植えました。

「木はCO2を蓄える」という単純な発想を企業レベルで実行することで、BrewDogは自社の排出量以上のCO2削減に成功しています。

参照3:BrewDog

③鉄道会社・ドイツ

ドイツ鉄道会社(Deutsche Bahn AG)は、ドイツ国内の電化された長距離路線においてすべてのICE、IC、EC列車で再生可能エネルギーによる電力を使用しています。

現在、列車で使用している電力のうち再生可能エネルギーの割合は68%です。ドイツ鉄道会社は、2030年度までにこの割合を80%に、そして2038年までに100%にすることを目指しています。(参照4)

また、ドイツ鉄道会社は再生可能エネルギーを使用して商品を鉄道輸送するオプションを物流企業に提供して、鉄道輸送のさらなる環境負荷低減にも取り組んでいます。

参照4:Deutsche Bahn AG

④Google

Googleは、再生可能エネルギーで作った電気を購入して全事業の年間電力消費量を賄っています。2010年から2023年にかけて他社と115以上の契約を結び、合計14GWを超える再生可能エネルギー発電容量(3,600万枚以上の太陽光パネルに相当)を確保しました。(参照5)

2023年時点で、Googleは7年連続で年間電力消費量の100%を購入した再生可能エネルギーによる電力で賄っています。ただし、すべての事業運営で常に再生可能エネルギーを使っているわけではありません。

事業運営の時間帯や地域によっては再生可能エネルギーの供給が不足し、化石燃料に依存せざるを得ない状況があります。

そのため、Googleは「2030年までにすべての事業拠点の電力網で24時間365日再生可能エネルギーを使用する」目標を掲げています。時間や場所を問わず、必要な電力のすべてを再生可能エネルギーで賄う壮大な挑戦です。(参照6)

Googleは目標達成に向け、以下のような取り組みを進めています。

  • 多様な再生可能エネルギーポートフォリオの構築
  • 次世代技術の開発(地熱発電、蓄電池など)
  • 電力網全体のCO₂排出削減を最大化する技術開発
  • 電力網の脱炭素化を促進する公共政策の推進

Googleは進捗状況を公開しながら、他の企業や団体とも協力して、グローバルな電力網の脱炭素化に貢献することを目指しています。

参照5:Google
参照6:Google Cloud

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再生可能エネルギー・日本企業の取り組み事例3選

日本企業も再生可能エネルギーに関する取り組みを進めています。ここでは3つの企業の事例を紹介します。

①ハウステンボス

ハウステンボス株式会社は、長崎県佐世保市でテーマパーク「ハウステンボス」を運営する企業です。ハウステンボスの場内各所に太陽光発電システムを設置しています。(参照7)

また、ハウステンボスから生まれたエネルギー会社であるHTBエナジーと家庭の創エネを応援する新ブランド「ハウステンボスHOME太陽光でんき」を立ち上げています(2025年3月現在、新規受付は終了)。(参照8)

ハウステンボスHOME太陽光でんきは京セラ製の太陽光パネルが初期費用0円で自宅の屋根に設置でき、発電した電気は家庭内で使えるサービスです。

自社だけでなく個人に対しても再生可能エネルギーを導入する取り組みをおこなっています。

参照7:ハウステンボス株式会社
参照8:ハウステンボスHOME太陽光でんき

②セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは、セブンイレブンやイトーヨーカドーなどを運営する企業です。2024年2月末時点で、9,072店舗の屋根に太陽光パネルを設置しており、約1億kWhの電力を店舗で活用しています。(参照9)

グループ会社も含めたセブン&アイグループは、2030年までにグループ全体の店舗運営に伴うCO2排出量を2013年と比べて50%削減し、2050年度には実質ゼロにすることを目指しています。

目標を達成するために、再生可能エネルギーの調達拡大を目的とした小売電気事業会社「株式会社セブン&アイ・エナジーマネジメント」を2024年に設立しました。

発電事業者から再生可能エネルギーで作った電気を購入し、グループの店舗にその電力を供給します。自社の太陽光パネルによる発電に加え、新たな再生可能エネルギーを調達できる体制を整えることで、2030年度には国内グループ全体の再生可能エネルギー比率を40%に引き上げる予定です。

参照9:セブン&アイ・ホールディングス

③鈴廣かまぼこ

鈴廣かまぼこは、神奈川県小田原市でかまぼこやちくわなどの練り物を中心に製造・販売をおこなっている企業です。お土産物として有名ですので、馴染みのある方も多いかもしれませんね。

鈴廣かまぼこでは複数の施設に太陽光や地熱を活用した設備を導入しています。

たとえば、2016年には鈴廣かまぼこ惠水(めぐみ)工場に、地中熱を利用した空調機器を取り入れました。この設備を導入したことで、導入前の年度と比べて空調によるCO2排出量を76%削減しました。(参照10)

また、工場の屋上には太陽光パネルが660枚設置されています。作った電気はすべて工場内で消費しており、板かまぼこ製造ラインの約80%の発電量を賄えています。(参照11)

再生可能エネルギーを導入しているのは工場だけではありません。運営するレストランの給湯機や食洗 器で使う温水に太陽熱を利用しています。ガス使用量を抑えることで、年間約11トンのCO2排出量が削減可能です。

鈴廣かまぼこの本社には、太陽光パネルや地下水熱を利用した空調システムなどさまざまな設備を導入しています。同規模の一般的な建物と比べて約60%のエネルギーを削減しています。

鈴廣かまぼこは、複数の施設にさまざまな再生可能エネルギーを導入することで、大幅なCO2の削減を実現している企業です。

参照10:資源エネルギー庁
参照11:鈴廣かまぼこ

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再生可能エネルギー・地域の取り組み事例3選

日本の各地域では、自治体と民間企業が協力して再生可能エネルギーを導入する取り組みを進めています。ここでは、3つの取り組み事例を紹介します。

①葛尾村スマートコミュニティ事業 

福島県葛尾村は、村の中心部でエネルギーの地産地消を目指す葛尾村スマートコミュニティ事業に取り組んでいます。葛尾村と福島発電株式会社が共同出資で設立した葛尾創生電力株式会社が主体となって、村の中心部に太陽光発電設備と蓄電池を設置しています。(参照12)

2020年には作った電気を送るための自営線も整備しました。自前の電線で住宅や公共・商業施設など計110件に対して太陽光発電による電気を供給しています。(参照13)

また、EV(電気自動車)2台や充放電器も導入しており、災害時でも蓄電池やEVから電力が供給できる体制を整えています。

参照12:資源エネルギー庁
参照13:葛尾村

②大阪・枚方市

大阪府枚方市は、2024年4月に関西電力株式会社や京阪ホールディングス株式会社などと協定を締結し、再生可能エネルギーの地産地消に向けた取り組みを開始しました。(参照14)

市内のため池にフロート型太陽光発電設備(水に浮かぶ太陽光パネル)を設置し、作った電気をテーマパークの「ひらかたパーク」やショッピングモールの「KUZUHA MALL」などで使用する計画を立てています。この計画により、年間約2,700トンのCO2排出量を削減できる見込みです。(参照15)

また、個人や事業者に再生可能エネルギーを普及させる取り組みも実施しています。2024年から5年間、太陽光発電設備を導入する家庭や事業所に対して補助金を交付し、再生可能エネルギーの導入を支援しています。(参照16)

参照14:枚方市
参照15:京阪ホールディングス株式会社
参照16:枚方市

③豊岡市

兵庫県豊岡市では、国の事業として営農型太陽光発電が行われています。営農型太陽光発電は、農地に簡易な支柱をたてて上部に太陽光パネルを設置し、農業を行いながら発電する方法です。

豊岡市では水稲の栽培に太陽光発電を導入する取り組みから始めました。その後、ほかの種類の作物でも導入が進み、市内に営農型太陽光発電が広く普及しました。(参照17)

農業を主体とした再生可能エネルギーの導入、電力の地産地消が進み、自治体を巻き込んだ取り組みが実現されています。

また、豊岡市は大規模な太陽光発電所を運営しています。市内に3箇所あり、2023年度は約245万kWhの電気を作り出しています。(参照18)

参照17:資源エネルギー庁
参照18:豊岡市

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脱炭素やカーボンニュートラルの取り組みとの違い

再生可能エネルギーに関連する用語として、脱炭素やカーボンニュートラルが挙げられます。脱炭素とカーボンニュートラルの概要は、以下のとおりです。

用語概要
脱炭素CO2の排出量をゼロにすること
カーボンニュートラル温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること

脱炭素はCO2の排出量をゼロにする取り組みのことです。CO2排出量ゼロを実現した社会を脱炭素社会と呼びます。

カーボンニュートラルは、CO2を含めた温室効果ガス全体の排出量を実質ゼロにする取り組みです。温室効果ガスの排出量をできる限り少なくし、排出量と同等のCO2を吸収することで、プラスマイナスゼロを目指します。

脱炭素とカーボンニュートラルを実現するにはCO2排出量を削減する必要があります。その手段の一つが再生可能エネルギーです。再生可能エネルギーを導入することで、発電する際のCO2排出量を減らせるため、脱炭素やカーボンニュートラルに近づけます。

脱炭素とカーボンニュートラルは大きな枠組みであり、再生可能エネルギーの導入が欠かせません。近年、世界中で再生可能エネルギーを導入する取り組みが進められており、120以上の国と地域が2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目標としています。(参照19)

参照19:環境省

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まとめ:再生可能エネルギーへの取り組みは2025年以降もさらに拡大する

再生可能エネルギーへの取り組みは、さまざまな企業や地域で進んでいます。地球温暖化を抑えるためにも再生可能エネルギーの導入が必要です。

世界中でカーボンニュートラルに向けた動きが活発化しており、再生可能エネルギーへの取り組みは2025年以降もさらに拡大するでしょう。

再生可能エネルギーへの取り組みは、企業や自治体だけでなく個人でも行えます。自宅に太陽光パネルを設置することで、再生可能エネルギーを生活に取り入れることができます。

カーボンニュートラルに貢献できるだけでなく、電気代の節約にもつながるため、太陽光パネルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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